激突、三倍満vs四暗刻！　萩原聖人は自ら楽しみ、面白い麻雀で勝つ！【Mリーグ2020観戦記２／15】担当記者：東川亮

そして、唯一このが推進力となった亜樹がのシャンポン待ちで追っかけリーチ。

この時点で枚数は1対2と、亜樹が有利となっている。

高宮の最後の手番。

手の中でが槓子になっており、暗槓をすれば現状亜樹にあるハイテイ手番をズラせるが、高宮はカンをしなかった。

そして亜樹のハイテイ手番。

モニターは、どこか観念したかのような亜樹の表情を映し出した。

 

打ち出されたのは最後の。

リーチ三色ホウテイドラ、さらに裏ドラが2枚乗ってハネ満という大物手への放銃となってしまった。

南2局は親の亜樹が村上からリーチドラ裏の7700を出アガって連荘。

そして試合は衝撃の一局へと突入する。

この局、亜樹は字牌から切り出しオーソドックスに手を進める。

ただ、彼女の眼前に広がる光景は明らかに異常だった。

亜樹の目から見た牌図。

3者とも、真ん中の牌からバラバラと切り出しているのがお分かりいただけるだろうか。

（※Mリーグ公式牌譜ビューアーより。黄色い牌はツモ切り）

高宮の手は苦しく、うまくいけばのチャンタや国士無双という狙いではあるものの、基本的には守備に重きを置いた進行だろう。

しかし、残る二人は違った。

村上は門前でチンイツへ。

平和や一気通貫なども絡み、倍満どころか三倍満まで現実的に見える。

そして萩原は8巡目で四暗刻のイーシャンテンまでこぎ着けていた。

どちらも本手中の本手である。

先にテンパイしたのは村上、待ち。

引きで一気通貫が完成し、出アガリ倍満、一盃口がつく高目ツモなら三倍満と弩級の手だ。

ここは少しでもアガリ率を高めるためにヤミテンとする。

そこへツモった4枚目の。

を切るとにも増えるが一気通貫が消え、増えたでアガったところでチンイツのみのハネ満止まりとなる。

そもそもは場に4枚切られていて、待ちが増えると言っても実質枚数は１枚しか変わらないため、村上はをツモ切った。

このを亜樹がチー。

苦しいながらも単騎テンパイまでこぎ着けた。

ここで親番を続けられるのは大きい。

手牌を見やる亜樹。

カメラはその手前に、祈るようにツモる萩原を映し出す。

盲牌の瞬間、萩原に電流が走ったか。

待望のツモ！

萩原は一切のためらいなくリーチを宣言。

3巡前にも押しており、も怖いが、この手ならリターンとしては申し分ない。

待ちのは勝負の村上からの出アガリも期待できる。

リーチをすれば出アガリでもリーチトイトイ三暗刻のハネ満スタート。

返り討ちに遭うリスクを承知で、萩原は勝負に打って出た。

残り枚数は村上のが3枚に対し、萩原はが1枚だけ。

とは言え、役満の未来も残されている。