「俺たちの間には、卓と麻雀牌しかなかったよな」 盟友・前原との息詰まる熱戦を、沢崎誠はどう切り抜けたのか【Mリーグ2020観戦記3/2】担当記者:ZERO

河野プロの解説は理論的でとてもわかりやすい。

しかし指数関数的に視聴者層を増やしたいのであれば「理論的な解説」はマッチしていないとも感じた。

矢継ぎ早に手牌について語られてもライト層はついていけない。

手牌について語ることも大切だが、その他にも選手の心情を語ったり、笑えることを言ったり、感情的になったりするなど、初めて見た人に面白そうと思わせる工夫が必要だと思う。

そこでVtuberを起用してみてはいかがだろうか。

この数年、麻雀界にはMリーグと同じくらい…いやそれ以上の規模でVtuber界は盛り上がりを見せている。

「話すこと」に関しては専門分野だし、麻雀に理解の深いVtuberも多い。

何より抱えているファンが非常に多く、Mリーグに興味を持ってくれる潜在ファンと言える。MリーグとVtuberという拡大している市場が融合することにより、これまで届かなかった層にリーチすることができる。

今すぐにでも起用するべきだと私は思う。

それでは本編に行こう。
本編はサラッと、そしていつものように「アツく」お届けしていく。

本編

ぐつぐつと煮詰まってきた。
長かったレギュラーシーズンも、来週末(3/12(金))には終わりを告げる。

5位から8位までの4チームが40ptにひしめく大混戦。

少し離れた格好の風林火山と格闘倶楽部も安心とは言えないだろう。

3月2日 2回戦

東家 前原雄大KONAMI麻雀格闘倶楽部

南家 和久津晶セガサミーフェニックス

西家 瀬戸熊直樹TEAM雷電

北家 沢崎誠KADOKAWAサクラナイツ

東3局

前原はこのをスルーした。↓

なんでも鳴いていくイメージの強い前原だが、さすがにテンパイまで遠すぎるのと、ドラが浮いているのとで感触が悪かったのだろう。

このスルーが吉と出て、終盤チートイツのテンパイを入れる。

しかし、ハイテイで持ってきたが切れない。

和久津がピンズを仕掛けていてを余らせており、さらにその和久津に対して対面の親、瀬戸熊がを押している。

瀬戸熊に対してはとても危険である。

前原は少し迷った後、

を押してテンパイを取りきった。

ともすれば、守りに入ってもおかしくない状況だ。

さきほどのランキング表を見るに、格闘倶楽部は離脱戦線から100ptほど離れている。

しかし前原は知っているのだろう。
一瞬の守りの精神は、ほんの小さな傷にしかならないが、そのキズが大きく広がることを。

前原雄大

今年で38期を数える日本プロ麻雀連盟を1期から支える超が付くベテランである。

ただしMリーグでは思ったように暴れまわれていない。

今季も-164.4と低迷し、責任感の強さからインタビューで涙を浮かべるシーンもあった。

これ以上、寿人にだけ負担をかけるわけにはいかない。

いつにも増して前原の表情が締まっているように見える。

「前ちゃん、もう少し肩の力を抜いた方がいいんじゃない?」

一方で、常に穏やかな表情なのが沢崎だ。

続く1本場で、沢崎はこの配牌からを切った。↓

と目いっぱいに受けず、ツモでの三色変化を残す。
さらに一打目にを置くことで、待ちになったときに強い。

ある意味、この局がハイライトになった。

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