切ったジョーカーは1枚だけ 一太刀で決めた近藤誠一の我慢【Mリーグ2021観戦記1/18】担当記者:ZERO

ピンズのホンイツだが、よく見ると上家が切っている【白】をスルーしている。

この【白】は2枚目だ!

切ったジョーカーは1枚だけ。もういつもの近藤に戻っていた。

【白】をポンして1枚切れの【東】を対子落としすることもできるが、ほぼテンパイである村上に対し、1枚ずつ見えている【8ピン】【9ピン】とカン【2ピン】ではやや厳しい。

ポンするとハイテイが村上に回るのも味が良くない。

こうして近藤は【白】をスルーし

ツモってきた【4マン】を手において【北】を切った。

【4マン】生牌なので、村上がトイトイだった場合をケアしチートイツに組み替える方針。

この判断が

ハマって村上から1600。

打点こそ安いものの、村上の大物手と連荘を阻止した価値のあるアガリとなった。

じっと潜航

東4局、またしても近藤が2枚目の役牌をスルーした。

上家の【東】をスルーしている。

たしかに形は悪い。

捨て牌を見ると早めにペンチャンを嫌い、字牌を抱えていることがわかる。

もとよりこの手牌ではアクセルは踏めないとの判断だろう。

勝ちたいと思えば思うほど、アガリたくなる。

アガリたくなればなるほど、裏目が怖くなりパンパンに構えてしまう。

しかし近藤は勝ちたいからこそ我慢する。

どこかで勝負手がくることを信じ、それまでは最小失点で切り抜けるのだ。

対照的だったのは村上だ。3巡目

村上はここから【1ピン】を切った。

リャンメン×リャンメンの形はできたので、危険牌処理のスペシャリストである村上は【3ピン】から切ると思ったが【3ピン】から切ると

① 【3ピン】ツモでのタンピン変化
② 3→1と切ると2を通されやすくなってしまう
③ ほとんどならないけど、234の三色への変化

といったロスが生じてしまう。

おそらく②を重視したのではないか。特に【8ピン】【3ピン】【1ピン】と切ると「ボク、ピンズは【4ピン】【7ピン】受けがあるんで!」と宣言しているようなものになる。

そのまま【7ソウ】【南】もツモ切り。

【7ソウ】は先切りによる【5ソウ】【8ソウ】出アガリ率アップ。

そして続けて【南】も切ったことでよほど【3ピン】をひっぱりたいのがわかる。

こうして

【4ピン】をツモって狙いの1つだった先切りマタギの【5ソウ】【8ソウ】が残り…

リーチ合戦となった萩原から3900のアガリをものにした。

続く南1局、村上の手が止まる。

基本を語らせてもらうなら【9マン】切りだ。ウザク本にもそう書いてある。

なぜならピンズの【3ピン】【9ピン】をツモってきた時に余剰牌のないイーシャンテンに構えられるからである。

例↓
その基本をふまえた上で、村上は【5ピン】を切った。

理由の1つにマンズがほんのり良さそうなこと、そしてピンフ形だから完全イーシャンテンの価値がそこまで高くないこと(リャンメンができたら先に切りたいくらいだ)がある。(【5ピン】【8ピン】が筋でかぶっているのもある)

この判断がどうでるか…

スイチ(ズバリみたいな意味)のカン【8マン】ツモ!

萩原の先制リーチに追っかけて…

またしても萩原から3900のアガリ。

先行した萩原をついに捉え、とうとうトップ目に立ったのだ。

村上は語る

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