【 #神域リーグ2023 第9節第27試合観戦記】俺はトップを諦めねえ　刮目せよ　これが白雪レイドの麻雀【文 #後藤哲冶 】

ここはを切って目一杯。
こうした理由は。

このツモで、テンパイへの受け入れがとても広くなるからだ。
特に、不安の残るターツのどちらかを重ねての待ちが嬉しい。
去年とは打って変わり、歌衣は苦しい戦いが続いている。
悔しさをバネに、歌衣は努力を続けてきた。その成果を、存分に発揮している。

終盤に、を重ねてテンパイ。
ピンフドラ１のリャンメンリーチへとたどり着いて見せた。

が、ここはルイスへの放銃になってしまう。
最善手を選び抜いても、負けてしまうことがあるのが麻雀。

「良い！　構わん」

そういう時に気持ちの切り替えが大事なのだ。
歌衣はすぐに前を向く。

しかし東３局２本場に松本がカン一発ツモで2000、4000。これでリードを築くことに成功。

現状２位のアキレスとしては首位を走るヘラクレスにこれ以上離されたくない。
東４局。白雪の手に役牌のがカンツで入った。

手が進んで、暗カンをした後、を引いて選択。
の対子落としをすれば、ホンイツへ向かうことができるが……

ここは切り。既にをカンしている以上、欲しいのは鳴けるホンイツよりも……。

リーチ。ホンイツとリーチの境界線を上手く見極めた白雪が、のリャンメンリーチに辿り着く。

「悪いが……いただこうか」

勝負に出た歌衣からを討ち取って、8000点のアガリ。
これでトップ争いに名乗りを上げる。

南１局はホンイツトイトイの勝負手が入ったルイスと、ドラポンの松本がぶつかり、ルイスがを打って松本への放銃。
これでもう一度松本がリードを奪った。

南２局

取り残される形になった歌衣が、決して手放すことのできない南場の親番を迎えた。
を引いて、選択。愚形が２つ残る、難しい手形。

歌衣は切りを選んだ。
ペンはドラで、とはくっつきとして強い。
ここは焦らず、より良い形を求める。

が、これが痛恨の裏目。
しかし歌衣はこのツモも想定していた。を切って、フリテンを採用。

ドラのを引いてテンパイ。
が残っていればツモだったかもしれないと考えるとどうにも感触が悪いが、リーチへ踏み切る。
良い判断だと思う。ラス目の親番のリーチ、そう簡単には来れない。

一度は現物のを打ったルイスだったが、ここで引き。
カンのテンパイ。ルイスは即座にリーチへ。
ここで歌衣の親を放置すればどうなるか、ルイスは良く知っている。だからこそ、リスクは承知で勝負に出た。

これが、最高の結果を生む。
歌衣も欲しかったを一発でツモり、3000、6000の加点。これでトップが見えるところまで一気に上り詰めた。

「俺のじゃんそれー！」

カン外しが、最後まで響いてしまった。これで、歌衣は着順アップすら厳しくなってしまう。