まばゆい黄金の輝きの中で
猿川真寿と獣たちの、
そして私たちの
Mリーグが始まった
文・東川亮【遊軍ライター】2023年9月18日
大和証券Mリーグ、2023-24シーズン開幕。
6シーズン目となる今シーズンはこれまでで最も早い、9月18日からのスタートとなった。
試合数が増えたことによる変更と思われるが、それがなぜかと言えば、やはり最大の理由は新規参戦チーム「BEAST Japanext」の存在に他ならない。
チーム数が増えたならば必然的に試合数は増え、それに伴いシーズンも伸びる。
それは我々ファンにとって、より長くMリーグを楽しめることを意味している。
4シーズン振りの新規参戦チームには開幕戦の舞台があてがわれ、チームは初陣にドラフト1位・猿川真寿を送り出した。
いや、正確には「チームのファンが」である。BEAST Japanextは応援番組「MリーグNo.1への道 BEAST ROAD」にて開幕戦出場選手を決めるファン投票を行い、トップの支持を得たのが猿川だった。
果たして、新チームの力はいかばかりか。未知との遭遇によって、Mリーグの新シーズンは始まった。
第1試合
東家:瀬戸熊直樹(TEAM雷電)
南家:勝又健志(EX風林火山)
西家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
北家:猿川真寿(BEAST Japanext)
東3局。
発声をせずに2局を過ごした猿川が、この局では早々に3副露してテンパイを入れる。
実際には赤で2000点の手だが、ポンポンポンの仕掛けは、見た目だけならホンイツトイトイ、さらには役満・緑一色まで頭をよぎる。
ノータイムの仕掛けはおそらく、そう見られることも考えての動きだろう。
構想としてはトイトイ、さらにはホンイツ変化も見据えていたかもしれないが、ここはそのままツモって500-1000。
まずはチームの初アガリを決める。
迎えた東4局の親番は、1巡目にをポン。
この手はを使わなければアガれない、どうせ後で鳴くならその前に手を進めておこう、という考えだと思われるが、それにしたってこのから鳴いていける打ち手はMリーグでもそう多くはなさそうだ。
を引いてドラターツができ、を鳴けてペン待ち5800のテンパイ。
最初のをスルーしていたら、テンパイまでは一手か、それ以上遅れていた。
この局は流局となるが、猿川の代名詞「モンキーマジック」の片鱗とも言おうか、試合後に「それほど緊張はしなかった」と語っていた猿川の言葉を裏付けるような仕掛け出しだったかもしれない。
南1局1本場。
序盤で猿川の手が止まった。234の三色の種がそろった手牌で、タンヤオでの動きやすさを考えて東のトイツ落としが有力に見えそうだが、
猿川が選んだのは切り。リャンメンターツを崩す形だが、完全なロスになるのは1枚切れているのみで、その後の変化も見られる。
さすがにと暗刻にしたのはできすぎだが、を切っていたらこの形はなかった。
が埋まってテンパイ。
リャンメン待ちのほうがアガりやすそうだが、せっかくできている三暗刻を消すことになる。
猿川の選択は単騎待ちのダマテン。リャンメン待ちだと出アガリ1300か1600からの手だが、単騎待ちにしておけば三暗刻のテンパネで50符2翻、3200から。さらに・・・
まだ手変わりがある。を引いて待ちに変わったところで、猿川は満を持してリーチをかけた。は場に5枚見えだが三暗刻になる本命のが生牌、自分でを3枚使っていて、かなり狙い目に見える。
このを勝又が掴んでしまう。1回は抱えるが、ラス目で手の内はドラドラ赤赤、1シャンテンが広がるを持ってきたとあれば、さすがに孤立のを止める余裕はなかった。