東2局、同じくデビュー戦となる中田花奈からの3巡目リーチを受けた場面。
をツモリ、が現物だが678の三色があるといった手牌。
浅見は通っていないを切った。
そもそも中田のリーチにはとの2筋しか通っていない。
仮に中田の待ちが両面待ちだと仮定しても、18筋あるうちまだ16筋残っている。
放銃率で言うと6.25%。まだ何が当たるかわかったものではないのだ。
ならば自分の手牌価値を落としたくない。
とはいえデビュー戦とは思えない度胸である。
その後も
、と1牌1牌確かめるように押していく。
そう、浅見は目をそらさずに押す。
たとえ押したあとにどんな結果が待っていようと、全てを受け入れる覚悟を持っているのだ。
こうして浅見が持ってきたのが
である。
私ポーカーフェイスでしたけど? と後に本人は言うが、アーカイブを瞬きせずに見直してほしい。そこにはデビュー戦の緊張ごと楽しんでいる浅見の姿が映し出されているはずだ。
さておちょぼ口となった浅見はの危険度を精査する。
最初の押しの時点では放銃率は6.5%だと解説したが、自身が開拓したおかげもあり、この時点で残り10筋、つまり10%まで上昇していた。
まだ押せなくもない数字だし、赤なしルールだったら浅見も押していたのかもしれない。
ただここはMの舞台。赤やドラが一枚も見えていないことや中田のリーチに迷いがなかったこと(=待ちがいい)、そして巡目もやや深くなっていることを総合して浅見は
を止めてを切った。
テンパイしたらを勝負するという算段か。
「ツモ」
直後に中田の手が開かれる。
リーチ・ツモ・タンヤオ・ピンフ・赤・裏の3000/6000。
中田の手元で踊っているのは、浅見の止めただ。
ビタ止めは配信の華の1つではあるが、切らなかったのは読めたわけじゃなくてたまたま。
最初にツモってきた牌がではなくなら放銃していただろうし、このときも次にテンパイが入ったら放銃していただろう。
全てはバランス。
ただ、例えたまたまでも、自分がイケると判断したところまで押し、結果的にアガリ牌でオリることができたことに対して気分は悪くないはずだ。
東3局、高宮が
・ドラ3の2000/4000をツモアガリ、乱打戦の様相を呈していくる。
こうして浅見は親番を迎えた。
手が止まったのは6巡目。
が重なり、ホンイツのターツが揃った。
ただがドラなので、というドラ入り両面を払っていくのは見合うのか。
浅見は迷いに迷った。
2900が12000になるのであれば狙う価値もあるが、2900が5800となると微妙。
くわえて→と落としていくことはどうしても目立つし、をロンやポンされるというリスクも伴う。を切る気がする、と浅見をよく知る解説の河野も言うが
浅見はを切った。
受け入れは狭いものの門前でテンパイすれば12000になるし、ホンイツ・チートイツになるかもしれない。
3人にアガられ、ここらで私も高打点をアガりたい。
そんな気持ちが見える選択だった。
しかし急転直下、を切った直後に高宮からリーチが入る。