CHU! 強すぎてごめん 魔王・佐々木寿人 一撃8000オールへの道程【Mリーグ2023-24観戦記 10/3】担当記者 ZERO / 沖中祐也

そして屈するように

筋の【2ピン】を切った。
なんだってある、を悪い方に受け止めてしまった。

これでも一応イーシャンテンを維持しているものの、受け入れはかなり狭まった。
そして【2ピン】だって筋とはいえ通っているわけではない。

「この手で背を向けていては、勝てるものも勝てない」

【2ピン】を切った瞬間、そう感じたのだろうか。
本田は対局が終わるなり、すぐにこの打【2ピン】のことを悔いたのだ。

この局は流局。
寿人の待ちであるペン【7ソウ】を見て、本田はがっくりうなだれる。
ここで【8ソウ】【9ソウ】を払いその後も全部押していけばという、たらればの話にはなるが、

【2マン】【3マン】【4マン】【赤5マン】【5マン】【2ピン】【3ピン】【3ピン】【4ピン】【4ピン】【1ソウ】【2ソウ】【3ソウ】 ロン【5ピン】

という形でのアガリの可能性はあったからだ。

次局、本田は

ジュンチャン【9マン】単騎でリーチを打つも

亜樹に追いつかれてリーチ・タンヤオピンフ・赤の8000を放銃。

守ってアガリを逃し、攻めて放銃するというチグハグ状態に

頭をかくバースデー本田の表情も暗くなる。

南2局は茅森が2600をアガリ、亜樹の親が落ちたところで、運命の南3局を迎える。

南3局 マグマがたまっていく

寿人の親番。
ぐつぐつと、マグマは煮えたぎっていた。

亜樹が【6ソウ】【9ソウ】待ちで8巡目リーチ。

寿人が【3ソウ】【6ソウ】で追っかける。
山に残っているのは【9ソウ】が3枚、【3ソウ】が1枚で寿人はかなり不利だったがこれが流局。

続く1本場

茅森の【5マン】【8マン】待ちが5枚。

本田の【3マン】【2ソウ】シャンポン待ちが3枚。
これをかいくぐって残り1枚しかなかった

カン【6ピン】の寿人が【中】のみの1500をアガって2本場につなぐ。

南2局2本場 ボルケーノ!

亜樹のアガリ牌を止め、本田のホンイツを絞り、落ちそうな親をつなぐ。

ここまでの経緯を見ると、限界のところまで競り上がってきているマグマが見えるようだ。

寿人の配牌はダブリーチャンスだった。↓

それも【1ソウ】【4ソウ】【5マン】【8マン】というリャンメン2つの理想的な形だったが、ツモ【1ピン】でダブリーはならず。河は大人しく… なんて小賢しいことは考えずに、危険度の高い【4ピン】から切っていく。

【4マン】をツモってイッツーが見えてきたので【1ピン】と入れ替え。↓

2回のツモ切りを挟んでツモってきたのが…

マグマのような【赤5マン】
いつものように、どんな手でも変わらぬ表情・変わらぬリズムで

 

牌を横に曲げていく寿人。

我々はこの5年間、何度この景色を見てきただろうか。

 

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