コツコツとアガリを積み重ねる #伊達朱里紗【Mリーグ2024-25観戦記 1/27 第2試合】担当記者 #江崎しんのすけ

コツコツとアガリを積み重ねる
伊達朱里紗

文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2025年1月27日

1月27日 第2試合
東家:鈴木大介(BEAST X)
南家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘格闘倶楽部)
西家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
北家:茅森早香(セガサミーフェニックス)

親番で、この手牌から何を切るだろうか。

ドラがないため、打点を作るなら789の三色やピンズの一通、チャンタなどを狙いたい。【4ピン】【7マン】切り、全部狙うならシャンテン数を落とす【2ソウ】切りなどがある。

これは南2局1本場、伊達の6巡目の手牌だ。

伊達はこの手牌から、【7マン】切りを選択。

理由は点数状況と、他家の動向にある。

ここまで満貫以上の大きなアガリはなく、全員がトップを狙える状況になっている。

伊達としては親番なので一発大物手を決めればこの均衡から抜け出せるものの、逆に放銃となればラス候補になってしまう。

3巡目、トップ目の茅森が1枚目の【中】を仕掛ける。

【中】をポンして打【4マン】

微差ではあるものの、トップ目で親番がまだ残っている茅森。バラバラから仕掛けることは考えにくく、真ん中の牌が余ったということはターツ候補は揃っていると考えていいだろう。

実際にはソーズのホンイツも狙え、カン【8マン】が入れば1,000点ですぐにアガれそうなスピードと打点のどちらも狙える手だ。

そこで伊達は先ほどの手牌となる。

【2ソウ】でゆったりと構えていては、早そうな茅森に流されてしまう可能性がある。

このまま進めると、リーチのみのペン【7ソウ】待ちなど価値の低い手になってしまうこともあるが、もし親の伊達がリーチと言えれば、均衡しているだけに他家は押しにくい。トップ目の茅森もテンパイが入らなければよほどの手ではない限り押してこないだろう。

伊達はリーチ、と言ってしまえば有利な状況に持ち込めるのだから、手のスピードを落とす手はない。

この【7マン】を園田が赤【赤5マン】含みでリャンメンチー

園田も2着目とはいえ、茅森と同じくまだ親番が残っている。リャンメンでチーしたということはかなり早そうだ。実際にこのチーでカン【4ソウ】待ちのテンパイが入っている。

次巡、伊達は【5ピン】を引きペン【7ソウ】を払う。

園田がツモ切った【3マン】を大介がポン。

大介も他家の速度感に合わせ、マンズのホンイツで仕掛けを入れる。

次巡、茅森が【白】をポン。

マンズを落として、ソーズのホンイツを目指す。
【發】が重なればまさかの大三元もあるし、重ならずとも他家が引けば充分な足止めになる。

直後、【6ピン】【7ピン】を落としていた大介が打【6ピン】

この【6ピン】を伊達はチーする。

ぐっとこらえて面前で仕上げたいところだが、3件の仕掛けが入ったら黙って見ているわけにもいかない。

大介・茅森がホンイツっぽい仕掛けなので、序盤と比較して西が良い待ち候補とは言えなくなっている。

【2ソウ】も1枚切れなので、次に出た【2ソウ】【西】はロンと言えるように、一通のみのテンパイを入れる。

先ほどの選択の際、同じ手役を見るなら【4ピン】ではなく【7マン】を残して三色を狙う構想もあり得たが、【4ピン】を残しておくと、一通の他にピンズのホンイツも視野に入れつつ進めることができる。

今回は【6ピン】から鳴けたが、仮に【西】が出ていた場合はポン・打【2ソウ】としてピンズのホンイツに向かっていただろう。
相手のスピード感に合わせるために、鳴いた手作りの選択肢が多い方を選んでいる。

結果は園田がすぐに【2ソウ】を引き放銃。

1,500点と打点こそ低いものの、全員が仕掛けている中でアガリをもぎ取り、連荘に成功する。

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