東3局
親の茅森が先制リーチ。
茅森早香vs岡田紗佳。
10月14日の第2試合でも実現した「さやか」対決。
この時も観戦記を書かせていただいた。
ここは「早香」の方だ。
リーチ・ツモ・ピンフで1300オール。できれば裏ドラが欲しかったが、2番手に浮上。
南1局
南場に入り、黒沢。
好配牌からあっさり先制リーチ。
またもイーペーコーの確定形だ。
難なくこれを引き、リーチ・ツモ・タンヤオ・ピンフ・イーペーコーの2000・4000で戦線復帰。
ユニバースのためにもトップを持ち帰りたい。
南2局
好配牌を得た茅森。トップを目指すには、ライバルである紗佳の親を落としたいところ。ダブ
を仕掛け、3900点からの加点を目論む。
その後、
も鳴けて完全イーシャンテンの形。
そこに
を持ってくる。
前巡、
ポンで
を切っているように、マンズのホンイツは目指さず、ドラ受けターツも払って、3900点で良いという方針にしていた。
しかし、こうなると話は変わってくる。
も鳴けて、
と
のシャンポン待ち。
ダブ
・トイトイ・ホンイツ・赤はハネ満。
は無いものの、
はまだ1枚、山にある。
天才すぎるオンナ雀士の異名を持つ茅森。
Mリーグでは異端に属す感性派・感覚派で、ハマった時の破壊力は凄まじいものがある。
経験則を活かした大局観に優れ、時に理を超える直感で、手牌や局面を判断する。
緊張しない鋼のメンタルで、大舞台であるほど燃える。
常にポーカーフェイスを崩さず、淀みのない摸打で、危険牌を平然と通したかと思えば、高い手でも未練なくベタオリする。大胆な選択を躊躇なくできる強さは大きな武器だ。
そして、Mリーグの舞台で茅森は、新たな称号を得た。
掴みの松!
いや、確かにこの「称号」(?)もMリーグの舞台で新たに松本が得た不名誉なものだ。特に近2年の不調時には、ことごとく勝負所で掴まされているイメージがある。
ロン、12000!
そう、「一日一跳」だ。
今では幻のタイトルとなった「平均打点王」。
Mリーグ発足初年度に、その最初で最後の「打点女王」に輝いたのが茅森。
その後も、登板するたびに一回はハネ満をアガるという無双の時期があり、いつしか「一日一跳」の称号を得ることとなった。本人はむしろ軽い仕掛けも得意とする打ち手だと自己分析するが、なぜかMの舞台では打点がついて回った。
実際、個人的にも、黒沢のようなメンゼン高打点のイメージは茅森には無い。硬軟織り交ぜた自在な打ち手という印象だ。
それにしても、松本よ。
やれ「掴みの松」だとか「掴松門左衛門」だとか、そんな不名誉な仇名はいらない。
だが皮肉なことに、この半荘でも掴んだが故の、素晴らしいストップがあった。
東3局1本場
自身は、
・ホンイツ・ドラドラの満貫手。
黒沢からのリーチに対して、この
を止めた。
対局舞台裏インタビューによると
でも
でも、マンズの下はリーチに止めようと決めていたということだった。ドラが出にくい状況とはいえ、マンガン手に溺れて勝負してしまいそうになる局面だ。個人的には、この半荘で最も感心し、声が出た名シーンであった。
南3局














