ここも園田は読みに入る。押せるか…。時間をかけて推理していく。
ここもまた苦渋の面持ちで園田は、
を止めた!
ピンズの真ん中から上のブロック(~)は白鳥に危険なエリアだ。まして、相手は親リーチでこちらはトップ目。打ってしまった場合には一気に転がり落ちてしまうことも多いだろう。
も通りそうではあるが単騎はフリテン。自分がフリテンであるのなら、を切る軽微なリスクですら追うのは損だ、という思考だろう。
ここもまた、園田は自分の読みとゲームメイク力を信じて自分自身に魔法をかけて、気合のオリを見せたのだった。
この局は白鳥と滝沢の2人テンパイで流局した。最後の最後までどうなるか分からない展開だ。
☆ちょっと休憩☆
ほおを膨らまながら、河を見て読みに入っている高宮。美しい…
3.マジカル園田の攻撃魔法『ドラ切りエクスプロージョン』
園田はトップ目とはいえ、全く安心できない点差だ。南3局の3本場、
園田はこの手格好からドラのを光速で切り出した。
ソウズもピンズも1枚外してしまうと裏目の枚数が多い。ブロックが決まったここは、自分がアガリ切って供託と積み棒をライバルに渡さないのが狙いだ。
すぐにドラがかぶるが、前巡には他に切るものがないので全く後悔はしていないはずだ。むしろ、誰にもポンされることがなくなったのだから少し安心ともいえるだろう。
8巡目に、
園田にテンパイが入る。ここはカン待ちのダマテンを選択。アガリたいとはいえ、ここでリーチを打った場合には、ラス目で親番、オリることのない白鳥の猛攻撃を受ける羽目になる。白鳥に放銃してしまったら一気にラスまで転落することすらある。
ノベタンのように枚数がそれなりにあって勝算が見込める待ちならリーチにいっただろう。愚形リーチは避け、ダマでのツモと引きの手替わりを待った。
しかし、ここで高宮からのリーチが入る。シビれる展開だ…!
次の園田の手番、
高宮からリーチが入るとまた話が変わってくる。この半荘のトップ率だけを考えると、ここは追っかける方がいいと感じる。高宮にアガられると自身のトップが遠のくため、愚形待ちでもぶつけて供託や積み棒をもぎ取って高宮のアガリを潰しに行くのが良いだろう。
しかし、これはリーグ戦だ。ここでリーチの高宮に放銃すると3着まで落ちる可能性もある。また、先に述べた白鳥の押し返しも必至だ。前門の虎、後門の狼。二重の危険が待っていることになる。
自分が現在トップ目である以上、愚形待ちのこの手はダマにしておいて降りられるルートを残しておく方が、連対率やラス回避率の観点から考えても無難ではあるだろう。風林火山よりも下の着順になるのを避ける、という側面もある。
園田は切りのダマ続行とした。
しかし、無情にも高宮がをツモ切る。
(俺は、やっちまったのか…)
思わず目を瞑る園田。
そしてその後、追っかけリーチを打った白鳥が高宮のアガリ牌をつかんでしまう。
裏ドラが1枚乗って3900は4800とリーチ棒2本をゲットし、高宮がトップに躍り出て、オーラスを迎えることになる。
オーラス
この局は、トップ争いを繰り広げる高宮と園田に、どことなく似たような手が入る。
まずは高宮、7巡目にチートイツイーシャンテンになった。
高宮の選択は…
ドラの打だった。チートイツは仕掛けが効かない。そのため、アガリへの速度やテンパイ料が重視される、オーラスのトップ争いには不向きな手役。チートイツはあくまでも保険だ。
両面が3つで仕掛けの効くこの手。アガリトップのこの局面は、タンヤオの3シャンテンとみて全て仕掛けていくのがいいだろう。
を切って、チートイツのイーシャンテンにはとりつつも、タンヤオにならないの受けを拒否して喰いタン本線で進めていく。
一方、園田の8巡目の手牌、
なんと河には、炎のように赤いが!