熱論!Mリーグ【Fri】
もう手綱は緩めない!
リーグ最終盤で現れる
マムシ・沢崎誠の本当の怖さ
文・危険な鬼太郎/2020年2月21日
麻雀にはタイプがあるとされている。攻撃型、守備型、メンゼン型、鳴き型などがあげられる。
Mリーガーにもさまざまなタイプがあるとされているが、このタイプ分けはさほど意味が無いように思う。
例えば鳴きが特徴的な園田賢などは、メンゼンでの進行が上手く他家に絞っている守備的な手組をしている場面も目立つ。守備力が高いと言われている藤崎智もかなり攻撃的なシフトを取る場面も多々ある。
視聴者に分かりやすいようにタイプ分けをしているだけで、Mリーガーはほとんどバランス型の麻雀だ。どの型にも状況に分けて変化することができる。
唯一規格外なのは超メンゼン型の黒沢ぐらいな物ではないだろうか。
【1回戦】
北家 近藤誠一(セガサミーフェニックス)
東2局
沢崎がドラの打ち。
一見すると、の筋のを切るのが一般的だと思う。裏目の牌はそのものとぐらいな物で、裏目のを引いたとしても受けは残る。
だが、この沢崎の手牌は明確にアガリが見える好形の手牌。ならいつまでもドラのを引っ張って他家にポンと言われる可能性を減らしたい。相手に重なる前に切る。
沢崎がを引き。
とスライド。これもなどを切れば、ソウズを頭にして手広く構える事が出来るが沢崎はに拘る。
沢崎は普通のアガリは求めてはいない。高打点のアガリしか追及はしていない。なのでソウズのイッツーでの高い点数だけは逃さないようにしている。
いざとなればチーで確定イッツーテンパイになるのもあり、手広さよりも打点と役を優先させた。
親の萩原が先制リーチ!
最高のを引き入れ待ちの高目一盃口のリーチ。親番でこの手になれば申し分ない。
親のリーチに対して安全牌どころか筋の牌を1枚も持っていない沢崎がテンパイ。
ここで先ほど筋になったを打ち、待ちのピンフ赤のテンパイ。ヤミテン。
は親の萩原の河に1枚ずつ切られており、以降は切られていない。リーチでもよさそうだが、リーチはいつでもできる。ここは慎重にヤミテンに構える。
これを近藤から捉える。
ピンフ赤の二千点。沢崎が打点と巡目のバランスをうまく絡めてアガリを拾った。沢崎は強引なリーチや強引な鳴きを取り上げられガチだが、こうしたヤミテンを混ぜる事によって自分の麻雀のバランスを保っている。
東3局
親番の沢崎が柔らかい選択を見せる。
親番でドラがの手牌。大体は辺りを切る人が多いのではないだろうか?ソウズのホンイツとトイトイ、七対子。。全部を残す保留の一打だ。
だが、
沢崎はここで打。対子のを切った。この巡目で七対子やトイトイはあきらめ気味で、横に広く手牌を広げる。
こうしておけば裏目はそのものだけで、バックやホンイツ。リーチ手順を残せる柔軟な一打だ。ホンイツで鳴くことも出来るので、見た目ほど速度も落としていない手順。
近藤がタンヤオ赤が見える好形な手牌からドラのを打つ。
当然これを沢崎はポン!
対子のを切りホンイツへ。を切った時のデメリットとしてトイトイの可能性が消えたが、ここまで進行出来れば大した問題ではない。ホンイツへと向かう。
しかしここは萩原がカンをダマテンでツモアガリ、タンヤオツモの500-1000のアガリ。
高い点数がぶつかりながらも全員が相手のチャンス手を潰しにかかり、決定打を出せない展開が続く。
その後も交わし手が続き、なんと南2局まで最高打点が二千点という、本当に赤が入っている麻雀なのか?と言いたくなる小場の展開が続く。
決定打が出たのは南2局。
南家の沢崎の手牌。