影をも踏ませぬ逃走劇!KADOKAWAサクラナイツ岡田紗佳 とっておきのスキルは“先手必勝”
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2021年4月22日
1試合目
東家 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
南家 前原雄大(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
実況 小林未沙 解説 土田浩翔
前原は悔いていた。
東1局3巡目の、このペン待ちのリーチを。
12巡目には、
黒沢から、
そして、
間髪入れずに親の岡田からも、本手の追っかけが入る。
この局の結末は、
前原が岡田のアガリ牌をつかむ。
リーチイーペーコー赤赤。前原は岡田へ12000点の放銃となってしまった。
もう一度前原のリーチを見てみよう。
前原は舞台裏で、半荘の入り方として組みなおした方が良かった、と言っていたそうだ。
みなさんはどう思われるだろうか?
私はリーチに踏み切っていい場面だと考える。
待ちは愚形だが、4巡目で、はっきりとした先制テンパイだ。そしてダマのままだとイーペーコーのみの手だが、リーチをすることで打点も上昇する。出アガリで2600以上、ツモアガリで1000-2000以上だ。
そして、切りでテンパイを外しても、
の部分がもとのペンよりいい待ちになる変化は、
の10枚とそこまで多いわけではない。
もちろん前原の長年の麻雀経験によるとらえ方もあるだろうし、打っている者にしか分からない感覚もあろう。そして結果も伴わなかった。
しかし私は、この前原のきっぷのいいリーチ判断は決して悪いものではなかったように思う。
黒沢も後悔していた。
2着目で迎えた東2局、
すぐに村上からが出た。
アガらない!
黒沢の狙いはもちろん四暗刻だ。巡目も早いため、アガリ牌を見送って変化を待った。変化がなくなったら、現状の形のままリーチを打つという選択肢もある。
セミファイナルのポイント状況としては、ボーダーを争っているトータル6位の格闘俱楽部の親を蹴って、この半荘3着目の村上から3200を出アガること自体に価値があるので、アガる方がいいと私は思う。
だが、黒沢咲という選手がこの手を三暗刻のみでアガる姿は全く想像出来ない。ここはスルーになるだろう。
ちなみに、三暗刻のままリャンメンで即リーチにいって出アガリ6400、ツモって満貫にする選択肢もある。我々が不特定多数の相手と打つ場合には有力な打ち筋であるし、トップ目岡田との点差が13200点であることを考えると、この場面でも十分にある選択だ。だがこれも、四暗刻変化をあきらめてまで黒沢がリーチを選ぶことはないだろう。
このあと、親の前原からリーチがかかるも、
黒沢はダマテン続行!
12巡目に状況が変わる。