ゼウスが
ドリブンズを救うまで
鈴木たろうが
夢を見せるまで
文・ 後藤哲冶【金曜担当ライター】2023年1月28日
1月28日 第2試合
東家 堀慎吾 (KADOKAWAサクラナイツ)
南家 小林剛 (U-NEXTPirates)
西家 鈴木たろう(赤阪ドリブンズ)
北家 多井隆晴 (渋谷ABEMAS)
この日に出揃ったメンバーを見て、パイレーツの船長・小林剛は「トップ率は23%くらいかな」と話したと言う。
4人でやる麻雀というゲームのトップ率は、単純計算で25%だ。
しかしこの歴戦のトッププロ3人を相手取ることになると、さしもの小林剛でも数%は確率が下がるということ。
何が言いたいかと言えば、それだけ実力実績共にトップクラスの4人が集まったということだ。
……もっとも、この日解説に来ていた小林の元チームメイトの朝倉康心が「それでも剛さんは『トータルでは負ける気ないけどね』って思ってそうですけどね」と話していたのだが。
つまりはトップオブトップが4人。
その対局内容に入っていこう。
東1局
親番の堀にドラドラの手牌が入る。
を引いて何を切るか。現状チートイツのイーシャンテンではあったがを引いてメンツ手でもイーシャンテンにとれるようになった。
を切ればとカンのイーシャンテンだが。
堀の選択は。
手牌はドラドラで、現状タンヤオでない牌は1種類。
を1枚切ってが暗刻になれば即リーチ、そうでなくてもこうしておけば。
このに声がかけられる。
これでマンズ引きでタンヤオドラドラのテンパイだ。
これをドラドラ赤の満貫テンパイを入れていた、たろうから捉える。
5800のアガリで先制パンチ。
放銃に回ったたろう。
が危険なことは百も承知だっただろうが、勝負に出る選択。
ドリブンズはもう、トップに寄った選択肢を取らざるを得ないケースが多くなってきたか。
もっとも、トップ取りの麻雀を好むたろうであれば普段から押していたかもわからないが。
東1局1本場も堀が500オールのアガリ。
配牌を見るや仕掛けないと間に合わないと判断しポンから発進。ホンイツを意識していたが残して置いたターツを使っての1500点でフィニッシュ。
点数自体は高くないが、たろうがツモ跳満のテンパイを入れていたことを考えれば、価値は大きい。
東1局2本場は多井の700,1300のツモアガリ。
ドラ赤のないピンフのみ。待ちは亜リャンメンで、端がかった2枚使いとなれば多井の雀風からしてもダマテンに構えることも多そうだが、ここはリーチで圧をかけに行った。
実際、ピンフ赤のイーシャンテンだった親の堀を降ろすことに成功している。
東1局から早くもハイレベルなやり取り。
東2局は親の小林が2600オールをツモって1本場。
2着目になった堀の手牌。
ホンイツに向かって一直線に切りや、2枚切れになった切りかと思われたが。
堀は切り。
その後も堀は
、と場に出ていない字牌を切り出していく。
これが堀視点。
ホンイツという役は字牌を長く持てることにより、比較的手牌の安全度が確保されながら進行できるのが強み。
しかし、この堀が逃がした、、という字牌達はどこにも通っていない上に、特にたろうの捨て牌が変則手である可能性も考慮すれば全く安全ではない。