幻の役満が3つも!
萩原聖人が6年間追い続けた
理想と現実との折り合い
文・ZERO / 沖中祐也【火曜担当ライター】2024年2月20日
残り20試合は長いか短いか。
村上「人生と同じであっという間です」
村上の哀愁を帯びたコメントをコバミサが華麗にスルーしたところで、今宵の戦いは幕を開けた。
第1試合
実況:小林未沙
解説:村上淳
結論から言うと、この半荘の主役はまぎれもなく──
ゼウス・鈴木たろうだった。
今夜のたろうはこの一打に集約される。
東2局の親番でをツモって何を切るかといったところだが、全国で街頭調査を行ってもほとんどの人がを選ぶのではなかろうか。
両面2つに構えつつ、をツモったときのイッツーに備えておいては残しておきましょう、という選択だ。
しかしたろうは
をツモ切った。
こう構えておくことで、が薄くなったときにシャンポンリーチが打てる他、ツモで234の三色まで追うことができる。
また、後に出ていく牌が外側になりやすく(や)安全度が高いのもポイントか。
これがすぐに
→とツモっての6000は6200オールとなる。
あそこでを切った街頭のみなさんも結果的には同じように6000オールをツモれていたが、たろうの放ったの衝撃はあまりに大きかった。
鬼に金棒ならぬ神に点棒とはよく言ったもので、たろうは点棒を持たせるとめっぽう強い。
浮いた点棒を活かしてブラフやら差し込みやらを巧みに使い、世界を牛耳っていくのだ。
こうして局を潰しつつ、迎えた南場の親番でも
菅原の先制リーチにオナテンで競り勝ち、6000オールをツモりあげて勝負を決めた。
ドリブンズの未来は明るい。
と、ここで観戦記を終えても良いのだが、それでは文字数が足らず原稿をつっかえされてしまうので、他の三者についても書いていく。
というのもここからが本編、この半荘は他の三者にドラマがあり、そちらのほうが印象的だったのだ。
白鳥の積極性
白鳥翔 -134.6 16戦
不調と囁かれる白鳥だが、果たして内容はどうか。
たろうが爆発する前の、まだ平たい局面。
白鳥はここからたろうの親リーチ宣言牌のをチーした。
不安定な鳴きだが、親の一発を消しつつドラのを使い切り、直後にをツモるようならを勝負してテンパイを取る。
もしくはソウズの中ぶくれ形()が伸ばせるなら安全度の高いを払ってターツを振り返る、という合理的なプランだ。