瀬戸熊直樹の挑戦　去年届かなかった頂へ、TEAM雷電は雪辱を果たすことができるか　【Mリーグ2022-23観戦記1／2】担当記者:江嵜晋之介

瑠美は4巡目に切られた2枚目のをポンしたが、その時の手牌がこちら。

形こそ整っているものの、真ん中の牌ばかりでリーチが入れば途端にピンチになる手だ。
果敢に前に出た瑠美に軍配が上がる。

その後、4者それぞれがアガりを決め対局は後半へ差し掛かる。
チャンス手が実らない魚谷がやや出遅れ、残り3人はほぼ同点で南2局を迎えた。

9巡目、魚谷の手はタンヤオ・ピンフのイーシャンテンに。
3面張・リャンメン残りのため好形テンパイが確約された手だ。
ドラのを切って目一杯に構える。

このドラに…

 

「ポン」

瀬戸熊が声をかける！
場に緊張が走る。

タンヤオ・ドラ4のイーシャンテン。
3色になるか、を引いてくれば跳満まで狙える超勝負手だ。

1巡後、魚谷はを引き少考する。

・を払い、3面張・リャンメンの形をキープしたいが、タンヤオ仕掛けを行っている瀬戸熊に対して、・両方通さなければいけないのはリスクが高い。

端に近いを切って二度受けのイーシャンテンに変更。
自身が暗刻のため、将来危なそうなから処理する。

しかし瀬戸熊が欲しかったのはこの。
チーして待ちのテンパイを入れる。

1巡後瀬戸熊はをツモり跳満を成就させる！

3人競っている状況から大きすぎる跳満により、瀬戸熊が頭1つ抜ける。

南3局は2軒リーチがかかるも流局。
オーラスは瀬戸熊が38,500点のトップ、園田・瑠美が500点差で2着を争っていて、2人ともトップまでは跳満が必要というほぼトップが確約されたような状態だ。

瀬戸熊に個人2勝目が訪れるかと思われたが…

オーラス、瑠美にとんでもない配牌が入る。
ドラの発がトイツで赤が2枚あるため、打点(跳満)条件を配牌の時点でクリアしていると言っていい。

8巡目、待ちでテンパイを入れリーチをかける。

待ちは山に5枚残りで瀬戸熊以外は手牌で使うことができないというアガリが約束されたような状況。

2巡後、をあっさりツモり3,000-6,000で決着をつける。

2023年1発目の対局は、瑠美の年を跨いだ個人3連勝での終局となった。

オーラスまさかの逆転劇となってしまった瀬戸熊だが、チーム公式SNSの動画内で「そこまで悪い結果ではなかった」とポジティブに語っていた。

【控え室トーク】Mリーグ2023 1/2(月) TEAM雷電25日目

瑠美に逆転されてしまったのは痛いが、下位2チームを3着・4着に沈めることができたため、当面の目標であるセミファイナル進出へは前進することができたと言えるからだ。

ついこの間始まった今シーズンも折り返し地点を過ぎ、各チームの思惑がぶつかる条件戦へ突入した。

下位2チームが包囲網を突破しセミファイナル進出を決めるのか、上位チームがそれを阻止するのか。

下位チームから狙われる位置にいる雷電は、後半戦の鍵を握っていると言ってもいいだろう。

雷電が去年の雪辱を果たし、セミファイナルに進出できるのか。
物語は後半戦に突入する。