6巡目にソウズ四連形を壊す切り。
ピンフとソウズの伸びを見て1枚切れのも視野に入る中、のシャンポン待ちが残ってもOKという判断。実際にはは山に2枚眠っており、見事な選択であった。
一方で、難しい選択を上手く辿っても良い結果とはならないのも麻雀。
東2局1本場
こちらは瀬戸熊の切り番。
チャンタや三色などが見え、仕上がれば高い手にはなりそう。しかし、まだまだ愚形箇所も多く守備駒も持ち合わせたい所だ。そうなるとも打牌候補の一つに挙がってくるが、ここで瀬戸熊の選んだルートは
切り。
そして、その意図は数巡後に照らし出される。
ルールを活かした待望のツモ。、
純チャンは崩れたが、この赤というイーハンにより打点が向上。ヤミテンや仕掛けといった選択の幅が広がる、こちらも見事な選択であった。
そう“だった”のである。
数巡後に打点と守備のバランスを取ってツモ切りとするも、前巡にタンヤオ・七対子・赤のテンパイを入れていた仲林にジャストミート。上手く行ったが故の放銃であった。
ところで、前原雄大や沢崎誠などの勇退によりMリーガー最年長となった瀬戸熊直樹。
その若々しくバイタリティー溢れる姿は今年で53歳とは思えない。
ちなみに本日11月14日は“いい・とし”=“良い年”の語呂合わせにちなんで「アンチエイジングの日」らしい。
麻雀の新陳代謝だけではなく自身の身体の細胞も入れ替えているその秘密も知りたいものだ。
少し話が脱線してしまったが、苦しい瀬戸熊とは対照的に好調をキープしたのはたろう。
南2局
あっさり4,000オールを決めると、不調の波を払拭する今シーズン初トップに王手をかけてオーラスへ。
しかし、神は“たろう”に試練を課した。
南4局
親番の堀が高め三色の先制リーチに漕ぎ着けると、テンパイの入った仲林から18,000の加点に成功。一人苦しい瀬戸熊の元へ落とす。
そう。神とは堀慎吾の事であった。
雀王決定戦では仲林にまさかの大逆転負けを喫したが、その悔しさを晴らす絶好の機会が巡ってきたのである。
そして、過去に同じ団体として先導を切って来たたろうへ何か語るようなメッセージが画面越しからも伝わって来た。
そして一度スイッチが入ると誰も止められない。
南4局1本場
まるでが山に3枚積まれているのを知っているかのように、しっかりと待ち取りも正解を選び2,000は2,100オールで遂に逆転。
流石のたろうもこの表情である。
しかし、この追い込まれたピンチこそ“ゼウスの選択”が降臨する時なのだ。
南4局2本場
たろうがここからペンをチー。
役は…
“自風の”or“三色”or“一気通貫”
つまりトリプルバックの仕掛けである。
そして、何がなんでもトップを持ち帰るぞという気迫溢れるプレーはある救世主を呼び覚ました。
“ポセイドン”仲林。
自身の着アップより現状の3着キープを優先しようと、たろうへアシストしようと卓上へ目を凝らす。つまり“Win-Win打法”だ。
仲林の目線から残っている役牌はのみ。他の手役があるとしたら上の三色かピンズの一気通貫である。
しかし3,900までなら放銃できるが、堀や瀬戸熊に万が一放銃したら元も子もない。
その中で仲林は意を決したようにある1牌を選んだ。
役牌のである。
しかし、無情にもこれに対してたろうから声が発せられる事はなかった。