熱論!Mリーグ【Tue】
内川幸太郎、苦渋の決断…
ドリブンズのトップ阻止へ
決死の四暗刻単騎ダイブ!
文・渡邉浩史郎【火曜担当ライター】2020年2月25日
2戦目、オーラス。南4局2本場。
そのハイテイ手番。サクラナイツのドラフト1位指名・内川幸太郎は
苦悩していた。
その理由と、そして結末を知るためには、オーラスに起きたそれぞれの思惑を巡る選択を掘り下げなければならない。
今回観戦記として異例ではあるが、オーラスのみに焦点を当てたものになることをお許しいただきたい。
2戦目
2戦目、南4局を迎えた時点での点差がこちら。
黒沢 15700
村上 44900
内川 1100
勝又 38300
黒沢は倍満ツモ、内川は跳満ツモで着順上昇。
しかしそれが叶わないのであれば、別の考え方をしないといけない。
そう、チームポイントだ。残り試合数も10戦を切り混迷を極めているボーダー争いにおいて、順位点の持つ意味合いはあまりに重い。
5位の雷電はもとより、3位のサクラナイツもすでにドリブンズの射程圏内と言える。両者にとってドリブンズのトップほど歓迎できないものはないだろう。
両チームとも今後の展開を考えると、自分の順位・素点が大きく変わらないのであれば、できる限り風林火山にトップを取ってもらいたいという意思があるのだ。
また幸いにも今回風林火山はラス親。連荘によって次局に着順アップ条件を残すというメリットも存在する。
【南4局】
そんなドリブンズ包囲網が敷かれた、暗黙の了解のもとに始まった南4局。
村上が自風のを対子にして、トップへの足掛かりを手に入れるも……
黒沢は倍満と役牌絞り、両方を見た対子手方向に。
内川も両面を壊して対子手に進む。村上の鳴きたいが出にくい状況になる。
それでも自力でイーシャンテンまで進めた村上。自身を取り囲む包囲網は当然認識しているだろう。ドラのもツモ切って、自分でトップを決める為に前に出る。
これを見た黒沢は、降り気味から完全にベタ降りへ。村上の上家ということもあり、とにかく当たらない牌、鳴かれにくい牌を切るモードに移行して局を長引かせにかかる。
こちらはイーシャンテンの内川。自身が持ってきた高打点の種となるドラのを……
高速でツモ切った!
当然ドラを切ってきた村上の信頼度は高く、テンパイが入っていてもおかしくない。
を切れば安全に逆転の目がある七対子のイーシャンテンに取れるが、2着順上がる四暗刻の目は潰すこととなる。なによりドリブンズを捲ってほしい勝又へのアシストを兼ねた一打だ。
しかしこのとき勝又はまだ2シャンテン。このままでは流局で村上のトップが決まってしまう。
自力逆転の目がほぼ消えた内川としては勝又へのアシストへ専念したい……のだが、現状アシストできそうな牌は全て村上への危険牌で非常に苦しい。
鳴ける牌が中々降りて来ず苦しいながら、勝又もなんとかイーシャンテンまでは漕ぎつくことができていた。