二転三転の
シーソーゲームを制した、
ベルセルク・高宮まりと
セレブ・黒沢咲の選択
【決勝卓】担当記者:東川亮 2020年9月6日(日)
この日の麻雀最強戦は、7月に行われた「最強の女流プロ ニュースター決戦」に続く、女性プロのみによって行われる大会。
そして今回はタイトルホルダー、そしてMリーガーという、今最も勢いがある打ち手が集った。
本記事でお届けするB卓はMリーガー対決。
昨シーズンのMリーグでは一度もなかった女性選手だけのカードが、ここで実現した。
「淑女なベルセルク」KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり。
昨シーズンのMリーグではアグレッシブな麻雀を貫き、チームの勝ち頭となった。
女性雀士きっての攻撃派は、この日も気高く強く、信念の一打を放つ。
「セレブ打法」と称される徹底した高打点志向の打ち筋で難敵を撃破し、Mリーグを席巻した打ち手だ。
オフ期間に出産し、母親となって臨むこの舞台で、セレブ健在をアピールしたい。
「超攻撃型麻雀アマゾネス」セガサミーフェニックス・和久津晶。
日本プロ麻雀連盟の最上位・A1リーグで戦った経験を持つ、女性雀士トップクラスの実力者。
異名さながらの攻撃力だけでなく守備力も併せ持ったアマゾネスが頂点を目指す。
「天才すぎるオンナ雀士」セガサミーフェニックス・茅森早香。
独特の感性による選択は、これまでに数々のドラマを生み出してきた。
天才の切れ味鋭い麻雀で、他のMリーガーを圧倒したい。
東家:高宮 南家:和久津 西家:茅森 北家:黒沢
東1局は、親の高宮が6巡目であっさりリャンメンテンパイを入れて即リーチ。
早い巡目の親リーチ、2着抜けという条件を考えれば、他3者は放銃だけは避けたいところだ。
しかし、一人だけ真っ向から立ち向かう者がいた。
満貫のテンパイが色濃く見えている和久津である。
安易にオリずに無スジを押し、10巡目にジュンチャンドラ1のテンパイを入れる。
結果は高宮の2600オールツモアガリだが、いきなりバチバチのぶつかり合いとなった。
高宮は次局も1300は1400オールをツモアガり、軽快にリードを広げていく。
東2局3本場。
ここまでテンパイ連荘で親番をつないでいた和久津に、4巡目のリャンメン待ちリーチが入った。
打点こそ現時点ではないものの、待ちのはが自身の目から3枚見えており、感触は悪くない。
茅森、黒沢が現物やスジを合わせる中、高宮は黒沢の打ったをチー。
親リーチに対し、真っ向から戦う姿勢を見せる。
形はチャンタ系、と1枚切れのがトイツという、押し返しつつ守備力も担保できる形だが、これはかなりアグレッシブな仕掛けだ。
ここからを引いてプッシュ、さらにが重なったところではを打ち、無防備にはならないように押し返していく。
そして和久津のロン牌を吸収すると、を暗刻にして払い。
和久津の打ったを鳴き、ツモで和久津のリーチをかわすことに成功した。
高宮の、親リーチとはいえ簡単には引き下がらない姿勢、そして戦うとしてもやみくもに突っ込まず冷静に対応する打ち回しが光った一局だった。
東4局。
この局で先手を取ったのは茅森。
道中でを槓子にすると、イーシャンテンになったところでカン。