あまりにも苦しい阿久津翔太のラス。逆風吹き荒れるサクラナイツに、正念場。【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/5 第1試合（麻雀LIVEチャンネル）】担当記者 虫かご

あまりにも苦しい
阿久津翔太のラス。
逆風吹き荒れる
サクラナイツに、正念場。

文・虫かご【金曜担当ライター】2025年12月5日

サクラナイツの春はまだ遠い
サクラナイツに、冷たい逆風が吹き荒れている。

シーズンのスタートダッシュこそ悪くはなかったものの、そこから思うように成績が伸びず、ついに最下位に転落した。

展開に恵まれない中でもなんとかしのぎ、3着で終えることが多かった中、ここに来てラスが目立つように。開幕から下位に沈んでいたフェニックスやBEAST Xの追い上げに飲み込まれた格好だ。

12月5日(金)の第一試合を任された阿久津も例外ではない。

鮮烈な8000オールを決め、期待と不安をもって視聴する我々にサクラブレードを携えてみせたデビュー戦は、もはやはるか昔。以降、なかなかトップに恵まれない試合が続いている。

顔を合わせるのは、こちらの面々。醍醐、たろうとは初顔合わせという中で、チームを救うトップを獲得できるか。

第1試合

東家：中田花奈（BEAST X）
南家：阿久津翔太（KADOKAWAサクラナイツ）
西家：醍醐大（セガサミーフェニックス）
北家：鈴木たろう（赤坂ドリブンズ）

悪い展開は続く
嫌な空気というのはどこまでもついてくるものである。

東1局。

オタ風のをポン、さらにをポンした親番の中田が、マンズのホンイツへとむかう。索子の、さらにはのトイツ落としを見せ、なかなか派手な河になっている。

そんな中、醍醐が密かに、一気通貫が確定したペン待ちのテンパイを入れる。

数巡後、をもってきた阿久津。場には、対面の醍醐が4巡目に切り出した1枚のみ。さらに、直前に醍醐がを切ったことも大きかっただろう。ホンイツ模様の中田に対応する形で選んだが、醍醐への放銃となってしまった。

赤も絡み5200の放銃。致命傷とまではいかないが、「地味に痛い」出費となった。

攻撃を仕掛けるも……
それでも、直後に向かえた親番の東2局で、3900を醍醐からアガった阿久津。

ほぼ横一線で東4局1本場を迎える。

2度のチーを経て、赤を2つ絡めた待ちのテンパイにたどり着いたのはたろう。

そのテンパイ打牌を、すかさず中田がチーしてタンヤオへと向かう。

さらに、もチー。ドラも使った待ちのテンパイを入れた。

ここに追いついたのが阿久津だ。順子は豊富に作れるものの、雀頭の形成に悩んでいたなかで、ようやくを重ねて待ちのリーチを敢行。後方から差しにかかる。

しかし。

山に4枚残っていた中田の待ち牌をつかんだのは阿久津だった。

3900は4200の放銃。満貫以上の大きな和了こそ生まれないものの、浮上のきっかけを手痛い出費で押さえつけられる時間が続く。

極めつけは南1局だ。

難しい選択もなく、4巡目にのリーチを打つことができた。ようやく訪れたチャンス。待ちは山に5枚。阿久津、楽屋のチームメイト、画面を前に応援する桜騎士団も「さすがにこれは……」と希望を抱いただろう。

しかし、親番の中田が待ったをかける。

ネックになっていたペンなど、急所が埋まりだしてきた。に続き、

ドラまたぎのもプッシュ。昨シーズンまでの中田には見られなかったような鋭い踏み込みを見せる。