徹底封殺・勝又健志
今ではなく、
最後に勝つための策
文・東川亮【バックアップライター】2026年5月11日
ZOZOTOWN Mリーグ2025-26ファイナル。
2週間で行われる16戦の直接対決は、ゴールデンウィークを終えて早くも後半戦へと差し掛かっている。
究極の条件戦となるファイナル後半戦、そこで本領発揮とも言える戦いを見せたのが、EX風林火山が誇る麻雀軍師・勝又健志だった。
第2試合
東家:萩原聖人(TEAM雷電)
南家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:勝又健志(EX風林火山)
北家:鈴木大介(BEAST X)
16戦中9戦を終えて、順位表ではBEAST Xが下を少し離して首位に立っている。当然ながら、逆転のためにはトップが必要だ。
しかし、東2局には親番の滝沢がリーチツモタンヤオピンフ三色裏、美しい6000オール決める。まだ親番が2回残っているとはいえ、24000点のビハインドははっきりと劣勢。
であれば、次に考えるべきことは何か。ここからの戦いが、勝又の本領発揮である。
南1局、滝沢が孤立の
を先切り気味に処理すると、それにポンの声がかかる。
鳴いたのは大介。現状2着目ということもそうだが、トータル首位のチームというのがよろしくない。ここで満貫以上の高打点を決められれば、この試合はもとより優勝争いという意味でも、他3チームにとっては厳しい展開となる。
このドラポンを見て勝又は大介をケア、鳴かれそうな牌を1枚たりとも切らない。この試合で勝又は大介の上家だったのだが、もしかしたら風林火山サイドとしては、勝又が他家への対応を得意としていることも踏まえて、この試合に彼を配したのかもしれない。
大介は自力でテンパイできず、この局は萩原の一人テンパイで流局。4巡目の
以降、勝又の河には大介封じを徹底した痕跡が見て取れる。大介も、そうした意図をひしひしと感じていたはずだ。
南1局、大介が自身への包囲網を力尽くで突破しようと門前リーチを敢行。
しかし勝又もここは対決姿勢。次巡にテンパイ、カン
待ちながら枚数はリャンメンの大介より多く、
大介がつかんで直撃に成功、3900は4200、供託リーチ棒を含めれば6200点と、なかなかの収入になった。
そして、勝又が「軍師」にふさわしい戦略的選択を見せたのが、南2局。
この局、勝又の手は高打点の気配を漂わせていた。
局の中盤にはこの1シャンテンに。一色手で、門前で仕上がればハネ満、倍満すら狙えるチャンス。鳴いての5200も、トップ目と1万点差以内で親番を迎えられるとなれば、それほど悪くないようには思える。
だが、先制リーチは後がない雷電、萩原。3位からも離された4位という立場で残り7戦、何としてもポイントを持ち帰り、次戦以降に望みをつなぎたい。
親番・トップ目の滝沢は、ここで無理をするような手格好ではない。途中からは手を狭めて、どこからリーチが来ても対応できるように準備していた。萩原に対しての現物、
をここで消費。
この
を受けて、勝又はツモ動作に入らず少考に入った。
手の形は先ほどの1シャンテンと変わらない。
をポンすればホンイツ赤、テンパネ5200のテンパイが取れる。打ち出す
はドラだが萩原の現物で2枚切れ、大介に鳴かれる心配もない。テンパイを取って萩原とのめくり合いになったとしても、危険牌を引いたときは現物の
を暗刻で持っていて、リーチへの対応は十分に可能。通常であれば鳴く一手である。
ならば、勝又が少考した理由は何か。
理由は、この試合の点数状況と、チーム状況にある。まず、萩原がリーチ棒を出したことで持ち点は表示から1000点減り、わずかではあるがBEAST・大介の下に潜ってラス目になっている。
そして、改めて順位表を見てみよう。風林火山は首位のBEASTを追いかけなければいけない立場。そこで自分がトップを取れないのであれば、次にやるべきはBEASTの加点を阻止することになる。ラスから3着への浮上は、ポイントにして20ポイント。
5200をアガったところで、トップまではまだ1万点近い差。であれば、ここで自分が5200をアガるよりも萩原にアガってもらったほうが、BEASTをラスに沈める、そして優勝争いをする、という点においてはメリットがある。勝又は、彼にしては非常に珍しい30秒もの少考を経て、
のポンテンスルーという選択を下した。














