Mリーグ2018
ベストオブ【鈴木たろう】
21人のMリーガー名場面集
文・真中彰司
~期待値を自在に操る神の選択~
“Mリーグロス”
記念すべき初年度のMリーグは、赤坂ドリブンズの優勝で幕を閉じた。
しかしその閉幕は、一打一打にプライドとプレッシャーがのしかかり、火花が飛び散っていたプロ雀士達の闘牌が、半年もの間お預けになることも意味していた。
そこで、せめてもの救済策として、Mリーグ名場面集をここに残す。
ぜひ「あー、この場面あったあった!」と思い出してもらえれば幸いだ。
“ゼウスの選択”と呼ばれるほど、麻雀という競技を知り尽くしている選手だ。
レギュラーシーズンでは序盤こそポイントが伸ばせず低迷したが、中盤から連勝して息を吹き返し、ファイナルシリーズ進出に貢献。
ファイナルシリーズでは、レギュラーシリーズ終盤の鬱憤を晴らすかのような大暴れで339.2ptを稼ぎ出し、シリーズ個人首位の座を獲得した。
それでは、そんな鈴木たろうの名場面をピックアップ!!
①究極の役無しジャッジ アサピンアイを粉砕した神リーチ
(10/5 第2試合)
まず鈴木たろうといえば、この場面は外せないだろう。
10月5日第2試合、南4局。たろうはトップ目。
2着目で親の朝倉とは、満貫1回で逆転される点差だ。
のノベタンでテンパイが入るも、ピンフ変化を狙ってリーチせず。
そこに引いてきたのがドラの。
上手く両面に変化してくれた。
これは静かにを切ってヤミテンにするだろう。
そしておそらくをロンして終わりだ。
この半荘を見ている誰もがそう思った。
その刹那、聞こえるはずの無い声が、卓上に響き渡った。
「リーチ」
え?ゼウス様、今なんと?
画面に映し出されたのは、横向きに置かれた。続いて青い千点棒。
ピンフじゃなくて役無し??しかも亜両面???
混乱する視聴者を尻目に、次に聞こえたのは…
低音だが、喜びを抑えきれない声だった。
豪快なツモで3000-6000の跳満。
追いすがる朝倉を振り切って、オーラスを終わらせた。
ここで、たろうのリーチ直前の他家の手牌を見てみよう。
↑パイレーツ・朝倉康心
お分かりだろうか?
リーチの時点では残り3枚なのに対し、は残り5枚。
この2枚差がどれだけの意味を持つかは、周知の事実だろう。
しかし、できるだけリーチしたくない状況。
枚数が少ないと分かっていても、ヤミテンで上がれるに受けたくなるのが”人間”だろう。
それをリーチに踏み切り、見事に和了に繋げてしまった。
恐るべし、ゼウスの慧眼。
8m3mの切りですから
47mが一番危ないので
あさぴんのは同じになりますたろうさんのは無理です
9m切って
45667pのダマテンにします