熱論!Mリーグ【Tue】
俺はまだ舞える!
生き残りをかけた石橋伸洋の復活劇
文・ZERO【火曜担当ライター】2020年3月17日
Mリーグは数日の空白期間を経て、いよいよセミファイナルシーズンへと突入した。
赤坂ドリブンズとEX風林火山の欄が消失しているのが少し悲しく感じる。
そしてそのドリブンズとのデッドヒートを命からがら制したU-NEXT Piratesも傷だらけの体だった。
ドリブンズにトップを取らせないために自分を犠牲にして牌を絞ったり、時には他チームに敢えて放銃するようなシーンもあった。その結果、セミファイナル進出はぎりぎり叶ったものの、ポイント状況は少々厳しいものになってしまったのだ。
そんなPiratesの一戦目は、瑞原明奈が出陣。
久しぶりの出陣となった瑞原は、並ならぬ闘志をその瞳に宿し、
親番で決めたメンホンチートイ24000一撃でトップを手中に収めてしまった。
しかし私が一番印象に残ったのが南1局だ。
差を詰めてきた前原の親番。
前巡にチートイツのテンパイを果たした瑞原は、6巡目に下家に切られたばかりのを持ってきた。待ちごろと言える。
当然単騎に受けるものとして…
なんと瑞原はリーチした!
これは簡単に見えて、なかなかできない選択だと思う。
なにせ自身はトップ目で、先ほど言ったとおりライバルの前原の親番だ。
リーチを打ったことにより、脇に待ち牌のがしまい込まれ、局が伸びて前原の逆襲に合う…というような悪いストーリーがどうしても頭をかすめてしまう。
ここは波風立てずにダマテンでサッとアガってしまおう…と考えるのが普通だろう。
しかし、レギュラーシーズンを戦ってきた瑞原は感じたのかもしれない。
この程度のリードではMリーグのルール、そしてMリーガー相手だとセーフティリードとは言えないことを。
大切なのは
相手の心を折るまでアガり続けるということを!
ましてやポイント的にビハインドを背負ったPirates。
多少リスクを背負っても、より大きいトップを狙いたいところだろう。
こうして瑞原は危なげなくトップを持ち帰った。
そして2戦目に選ばれたのは…
瑞原同様、これまた久しぶりに登板となる石橋伸洋だった。
普段はマイペースな石橋だが、この日はどことなく気合が漲っているように見える。
2戦目
西家 和久津晶(セガサミーフェニックス)
北家 石橋伸洋(U-NEXTパイレーツ)
「お願いします!!!」
解説の河野も言っていたが、石橋は明らかにいつもより大きな挨拶をしていた。
セミファイナルを勝ち抜くための意気込みと…もしかしたら…もしかしたらの話だ。
これはなんの裏付けもない、あくまでも勝手な私の妄想上の話だと思って聞いてほしい。
もしかたしたら、石橋は自分の進退の危機を感じているのかもしれない。
石橋伸洋レギュラーシーズン成績
2018 -162.4
2019 -168.1
Piratesは2018レギュラーシーズンで敗退。
2019シーズンもこのセミファイナルで敗退となれば、チームも人員を変えてのテコ入れを考えるかもしれない。チームとしてはそうしたくなくても、ファンに向けての改善アピールとして戦力補強をする可能性が高い。
そうなったときに最初にリストラ候補に上がってくるのが2年連続不調の石橋なのだ。
石橋が最後にトップをとった日は、なんと12月9日までさかのぼる。