親の小林。
高宮から6巡目に先制リーチを受けてしまうも、チートイツでテンパイ。追いつく。
パイレーツの楽屋でも意見が分かれたこの場面。
瑞原「待ちでリーチ!」
小林「切りダマで」

優「待ちでリーチ!」
小林「待ちダマ続行だぞ」

仲林「うーん、オリで」
小林「リーチ!(空切り)」
※それぞれの選択はチーム公式ポストを参照にしましたが、セリフはフィクション(想像)です。
結果は、

小林は、自身でトイツにしていたを空切りし、
単騎で追っかけリーチの選択。
2巡前にがすべて場に切られ、
は絶好の単騎に思われた。
即リーチやツモ切りリーチ、待ちを変えてのリーチやダマからのオリまで様々な選択肢があったが、ここは高宮のペンに飛び込み、リーチ・ドラドラ・赤の満貫に放銃。痛い。
深夜の検討配信から、それぞれの分岐についての小林の見解を拾っておこう。
瑞原明奈案の待ち即リーチについては、トップ目でもあり、親のタンヤオ・チートイツ4800点にリーチ棒を加えた収入で充分なことから、ダマ判断。
鈴木優案の待ちリーチについては、この瞬間、
4枚見えの
待ちと同じくらい優秀。ただ、リーチと引き換えでタンヤオが消えて同じ4800点なら、打点が上がっていないため、リーチのリスクは取らず、見送りの判断。
仲林圭案の引きオリについては、そもそもツモ切りでの
待ちリーチは、
が4枚見えた直後の挙動なので、怪しまれる。だから空切りリーチ(手にある牌と入れ替え)なら追っかけることを決めていた、と。前提がこうだった。そこに、空切りできる
を持ってきたので、当たるリスクもあるが「
が出やすい9600点以上の勝負手」というリターンに見合うと判断してリーチとなった。
確かに満貫放銃は痛いが、瑞原と優の選択と比べると「リーチ棒を損しなかった」と付け加えるこばごーは、我々のよく知るこばごーだった。平常運転。こころの揺れも乱れもない。
ちなみに、この放銃に対し「安くアガって高く打つって何をやってんだ!」という辛辣なコメントも見たが「振り込んだ結果だけを見てるんですかねー」と意に介していない様子だった。
船長は常に、その時々の最善を探り、勝負するときは勝負し、鳴くべきときは鳴いている。
結果は結果。
良い偶然も、悪い偶然もある。
ただ、それだけだ。
南2局

高宮まり「あの、私だって、オリジナルメンバーなんですけど!(リーチ・ツモ・ピンフ・赤・裏、4000オール!)」
南2局1本場

マリアンヌ「ベルセルクって、北欧神話で異能の戦士を意味するんですけどっ!(リーチ・ツモ・イーペーコー、2000は2100オール!)」
※セリフはフィクションです
そう。
淑女なベルセルク、高宮まり。

彼女もまた、Mリーグ初年度から参戦するオリジナルメンバー15人の内のひとり。
8シーズン目を迎えたMの舞台に、堂々、見参。
南3局
ラス前。異能の戦士でありオリジナルメンバーの、異能でオリジナルな和了りが飛び出す。
現在47800点持ちのトップ目。2着の小林との差は27500点。すでに断トツになっている。
残り2局。むろん親の連荘を避けての局消化がテーマになるところ。

高宮はこの手から切り。対子落としというより浮かせ打ちで、縦型の手を横に伸ばそうとする。課したテーマは、リーチをしないこと。リーチをかけた瞬間、親の多井との一騎打ちになってしまう可能性が高い。紛れは、避けねばならない。まずはピンプ形を目指す。

この日の高宮はよく手が入った。ここまでの出場3戦は(0・1・1・1)とトップ無し。今宵は、牌も初トップを後押しする。
を切れば、
と
–
の変則三面張だが…

なんと、取らずの切り!
ベルセルクの二つ名にかけてリーチもあったところだが、淑女の名にかけておしとやかなテンパイ外しとした。いや、これは、おしとやかというよりも…

ダマで満貫になって高くなってるー!
淑女なのかベルセルクなのか。この異能さこそが高宮オリジナルだ。

終始、配牌にもツモにも恵まれず苦しい半荘となった大介からが出て、8000点。タンピン赤赤の和了り。高宮は、テーマ通りの、ダマでの局消化に成功。それも満貫の収入のおまけ付きだ。
終始苦しかったのは、将棋界からの刺客、二刀流ブルドーザーの鈴木大介。
この日は不完全情報ゲームである麻雀の理不尽に涙を飲んだ。
唯一の見せ場ともいえる南2局1本場には、親の高宮の先制リーチに対し、非常に巧みな打ち回しで追っかけリーチにまで至ったものの、直後に高宮にラス牌をツモられ、一度もツモらせてもらえず、リーチ棒だけを損するという憂き目に遭っていた。
これでまさかの3連続ラス。
将棋の対局も合わせて、多忙さから少し疲労も溜まっているようだ。
捲土重来。また目一杯、暴れまくってほしい。