愚形の3待ちでアガリ3回 醍醐大4勝目への軌跡【Mリーグ2024-25観戦記 11/5 第1試合】担当記者 #東川亮

愚形の3待ちで

アガリ3回 

醍醐大4勝目への軌跡

文・東川亮【火曜担当ライター】2024年11月5日

それを「流れ」と呼ぶか「勢い」と呼ぶか、はたまた「風」、あるいは「良い偶然」か。

捉え方は人それぞれだが、麻雀が運の絡むゲームである以上、良い結果、悪い結果が偏るのは往々にしてあることだ。

それは普段の我々が麻雀を楽しむフィールドでも、Mリーグという最も注目が集まる舞台でも同様である。

打ち手はその中で持てる技術を駆使して戦うが、運に翻弄されることは、麻雀にはどうしてもついてまわる。

大和証券Mリーグ2024-25レギュラーシーズン、11月5日の第1試合は、まさにそんなコントラストが浮かび上がるような試合となった。

 

第1試合

東家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)

南家:醍醐大(セガサミーフェニックス)

西家:中田花奈(BEAST X)

北家:二階堂瑠美(EX風林火山)

 

 

この試合は開局から4局連続での流局という、実に珍しい立ち上がりとなった。

初のアガリが生まれたのは東4局4本場

最初のテンパイは醍醐、【6ピン】【9ピン】待ちのピンフダマテンとする。供託リーチ棒が4本あり、アガるだけで本場と合わせて5200の収入、これは取り逃したくない。

続いて親の瑠美がチートイツでテンパイしてリーチをかける。こちらは赤赤内蔵で打点は十分、1枚切れの【發】チートイツの待ちとしてはちょうどいい。

そこに対し、やや受け気味の進行になっていた中田が【5ソウ】チーで【1ピン】勝負、白の後付けテンパイを入れた。

この試合、中田は東3局2本場には3巡目から食い延ばしのチーでタンヤオのアガリを狙うなど積極的な姿勢を見せており、ここでもアガリのルートを切らさず前に出る。昨シーズンにはこういう動きはあまり見られなかった印象がある。

この【白】を醍醐から捉えて1000は2200、そこに供託5000点もついた大きなアガリとなり、中田はトップ目に立って試合の折り返しを迎える。

だが、現在絶好調の醍醐は、ここからが強かった。

南1局では高宮のリーチ宣言牌【5ソウ】をチーしてテンパイ。

互いの待ちは山に1枚ずつ残っていたが、醍醐の待ちをリーチの高宮がつかんでしまう。

こういうめくり合いを勝てるところは、今季の好調ぶりを象徴しているかのよう。

タンヤオドラドラ赤、この試合で初めての高打点が決まった。

南3局1本場では高宮の先制リーチに対し、醍醐はソーズが切りきれずに迂回、

トップ目の中田も【9マン】トイツ落としで真っ向勝負とは行かず、慎重な打ち回しを見せる。

ただ、中スジや現物を切りつつも形は崩さないよう構え、ソーズ二度受けの形から【6ソウ】をチーしてスジの【7マン】を勝負、カン【3ソウ】待ちのテンパイを取った。残り巡目は1巡、本人としてはテンパイを取って中田との差を詰められれば恩の字、というところだったが、

なんとこの【3ソウ】が山に2枚も残っており、高宮がつかんでしまう!

僥倖の展開に、フェニックスの控え室で笑顔が弾ける。

対局後には醍醐自ら「自分でもビックリした」と振り返っていたが、こういう手がアガれたりするのも麻雀であり、醍醐が最後までテンパイのルートを絶やさなかったことも、このアガリが生まれた一因と言えよう。

醍醐がタンヤオドラ赤3、8000は8300のアガリで高宮を逆転。高宮はリーチ後に2度も醍醐の愚形待ち高打点に振り込んでしまい、まさしくアンラッキーだった。

オーラスは、親の瑠美の手が早そうだったが・・・

醍醐が自風の【西】をポンしてアガリに向かうと、

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