ゼウスと呼ばれた男、
鈴木たろうの麻雀
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2025年5月12日

5月12日 第2試合
東家:本田朋広 (TEAM雷電)
南家:醍醐大 (セガサミーフェニックス)
西家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
北家:鈴木優 (U-NEXT Pirates)
ファイナル10戦目。
トップを獲得したのは鈴木たろう。

ここまで3戦登板して、脅威の3連勝。ドリブンズの首位を支える圧倒的な働きを見せている。
3勝した試合のどれもが、たろう以外の選手が座っていたら結果が違ったんじゃないか? と思わせるような、唯一無二の勝ち方をしている。
この試合も、東場にリードを築いたのは鈴木優だった。


東4局の親番、醍醐とのリーチ合戦を制し、醍醐から18,000点を出アガる。持ち点は56,000点まで到達していた。
そして南3局、たろうの親番。

点差は21,400点。まだ大きく離されているが、3着目の本田とも22,300点離れており、直撃しなければ着順ダウンの心配はなさそう。腕を振ってトップを狙いやすい状況と言える。
タンヤオ・平和が狙える手を自然に進めていく。

6巡目、ここまで苦しい展開が続き3,400点のラス目となっていた醍醐に選択が訪れる。

ドラのがトイツになってイーシャンテンに。上手くいけば四暗刻まで狙えそうな手だ。
トイツには手をかけないとして、と赤
のどちらかを払っていく必要がある。リャンメンリーチをかけたいなら当然赤
残しだが、本田・優が序盤に
を切っており、
の場況が良く、かつ
・
の重なりが狙えそうなため、
を残して
→赤
と切っていく。

親番の無い醍醐、一発逆転の四暗刻を狙う。
醍醐が切った赤を見て、下家のたろうの手が止まる。

たろうからすれば、ラス目の醍醐が赤含みのターツを払ってきており、手が早そうに見える。
自身の親番が落ちれば優を逆転することが難しくなるため、この親番は落とすことができない。
赤を使えば赤2・ドラ1で12,000点が確定するため、ここは鳴いて速度を合わせる一手だろう。
チーするとこんな形になる。

で1面子作るとして、
の部分に不安が残るが、
赤
にマンズを引いてマンズで2メンツ作ることもできる。
しかし、たろうの選択はポンだった。

ぱっと見はチーした方がよさそうな形だが、理由は他家の河にある。

チーしたときは、のくっつきが鍵となるが、既に
が3枚、
が1枚見えてしまっている。その分
の場況が良いので
と
雀頭で2ブロック作る作戦だ。
をポンして
が残ってしまうが、優と醍醐がピンズの上の方を持っていなさそうなので、
は山に残っている可能性が高い。実際に山に3枚残っていた。
このたろうの判断が功を奏す。
次巡、を引き6ブロックに

直後、醍醐がをツモ切り、チーしてイーシャンテンに。


目論見通りでの面子を完成させる。
その次巡、醍醐からリーチが入る。

ペン待ちのリーチ。
大物手には育たなかったが、満貫をツモれば3着の本田を逆転するため、ここは何としてもアガりたい。
直後、たろうはを引いて余り牌の無いイーシャンテンに。

数巡後、醍醐がをツモ切る。
