【 #神域リーグ2024 第29試合観戦記】宿りし最速最強の魂 輝く新星、#ゴモリー の麻雀を見よ!【文 #後藤哲冶 】

続く1本場、ここでもゴモリーに良い手牌が入っている。
ドラ3で良形も確定した完全イーシャンテン。これは押していくかと思われたが。

ゴモリーは現物の【6マン】を切って安全なルートを選択。
前局の12000で有利な状況は作った。なら、この手はオリても、まだトップは見えると判断。

次巡持ってきた【8ピン】で完全撤退。
親は落ちるが、次局以降に勝負を預けた。

流局し、開かれた手牌はカン【8ピン】待ち。
もし一発目で強く【5ピン】を切っていたら、スジの牌である【8ピン】は止まらなかったであろう。
ここも、あまりにも完璧すぎる放銃回避。蟻の子一匹通さない。まさに鉄壁だ。

アキレス控室で、1人の男が満足そうに2度3度手を叩いた。
ゴモリーを指名したのはこの男、麻雀界のトップ、最速最強こと多井隆晴である。
(たかちゃんではなく、ね)

勝負所はきっちりと攻め、当たり牌でピタっと止めるその姿は、まさにMリーグの舞台での多井隆晴を彷彿とさせる。
まるで最速最強の魂が、ゴモリーに継承されたかのようだ。

東4局

親の村上の仕掛けを見て、ゴモリーが動く。
このカン【8マン】を仕掛けて、チャンタへ移行。
これもまた玄人を唸らせる一手。

ピンズは親の村上に通りそうかつ、チャンタは比較的安全な牌を持って進行できる。
【4ピン】から切って、【1ピン】を引いた時はカン【2ピン】と比較できるようにしているのも、素晴らしい。

見事カン【8ソウ】のテンパイを入れたものの、この局は親番の村上に軍配。
村上は配牌で12000が確定している怪物手だった。

東4局1本場

「ドラ受け残します」

珍しく小さく呟いたように発したゴモリー。
この打【3ピン】にも、魅力が詰まっている。
【3ピン】を切ると【3ピン】の縦受けだけ消えるものの、こうしておけばドラの【5マン】はキャッチでき、【白】を切ってピンフへの移行ができる。
【白】をポンしてのテンパイの形は残しつつ、高打点も見据えた素晴らしい一手。

3900をトップ目村上から捉えた。
これでまだトップを見る事ができる。

龍惺が空星から7700をアガって、3着争いも激化した南1局1本場

ゴモリーはここから打【6ピン】を選択。
これも良い一打。マンズは一気通貫があるため手をかけにくく、【7ソウ】は、【6ソウ】引きで【2ソウ】【5ソウ】【8ソウ】待ちの三面張、【8ソウ】引きでドラの【6ソウ】【9ソウ】待ちだ。
微差の孤立牌選択ではあるものの、この辺りがしっかりしているのがゴモリーの強さ。

【6マン】を引き入れてカン【5マン】一気通貫テンパイを入れていたゴモリーが、【7マン】を引き入れて少考。
【1マン】を切れば、今度はピンフ【5マン】【8マン】待ちに変化する。

「リーチしまーす! アキレスリーツァ! 」

元気なリーツァが響き渡った。
カン【5マン】のままなら2600のかわし手にしたが、【5マン】【8マン】待ちならリーチで勝負。
この選択が――

見事にハマる!
一発ツモ裏1は僥倖の2000、4000。
これでゴモリーがもう一度トップ目に立った。

南3局

チートイツイーシャンテンだった空星の手に、【1ピン】が暗刻に。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀 新刊情報/