TEAM雷電と本田朋広に
待ち受ける茨の道
その1000点を、
希望の種火とするために
文・東川亮【月曜・木曜担当ライター】2022年1月27日
かつてない混戦となっている、大和証券Mリーグ2021。1試合が終わる度に各チームの順位がめまぐるしく動く日々が続くなか、TEAM雷電だけは大きく出遅れ、そこに加われずにいる。
1月25日にはおよそ1ヵ月ぶりとなるデイリートップを獲得したが、それでもマイナスは800台、そして1月27日の第1試合では瀬戸熊直樹が4着に沈み、負債はさらに増えた。
2試合目に登場したのは、今期新加入の本田朋広。火曜日には久しぶりのトップを獲得し、連勝ともなればチームを上昇させる起爆剤となるかもしれない。しかし彼の前に、強力なライバルたちが立ちはだかり続けた。
第2回戦
東家:本田朋広(TEAM雷電)
南家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
西家:小林剛(U-NEXT Pirates)
北家:沢崎誠(KADOKAWAサクラナイツ)
鈴木たろう:ドラに愛され、ドラを生かし切ったゼウス
東1局、たろうが3巡目にドラを暗刻にした。役牌がトイツで入っており、これさえ鳴ければ満貫がハッキリと見える。
を切ったのは親番の本田。そこそこまとまった手で、ドラと赤があって打点も見込めそうではある。
を仕掛けたたろうは、マンズからを切った。を切ればリャンカンリャンメンの1シャンテンだが、をポンしてのテンパイも逃したくない、ということか。下家の小林が2巡目3巡目にをツモ切り、対面の沢崎も既にと切っていて、もかなり山に残っていそうだ。
だが、外した受けのを2度にわたって引いてくるなど、少々いやな展開に。
局が動いたのは終盤、本田が先制リーチにこぎ着ける。待ちはが山に残り3枚。
宣言牌をたろうがポンしてテンパイ。狙いのカン待ちで、こちらもまだ山に3枚残っていた。
勝ったのはたろう、をツモって2000-4000。まずは試合をリードする。
東3局1本場では、たろうに配牌でドラの暗刻が入った。その他の形も、1メンツにリャンメンもあって、非常にいい。
7巡目のポンでテンパイし、
小林から出アガリして8000は8300のアガリ。たろうは序盤のリードを生かしきり、トップでこの試合を終えた。
たろうは1月の5戦で4トップの大活躍。セミファイナル進出圏内の6位に浮上したドリブンズを、ゼウスは力強く牽引している。
小林剛:エラーは未遂、冷静に反撃の芽を摘むマシーン
東4局1本場、小林が絶好のペンを引き入れ、リャンペーコーのテンパイとなった。安目のピンフイーペーコーでは出アガリ2000、ここはもちろん
「リーチ」
・・・
・・・・・・あれっ、雀頭がない!?
大丈夫、小林は打牌直前に気付き、打牌をに持ち替えてリーチをかけている。麻雀のルールでは、打牌は河についた瞬間に完了と扱われるので、空中で牌を戻すのは特に問題はないのだ。
危うくノーテンリーチを打ちかけた小林。どことなくホッとした表情に見える。
そこへ本田が追い付く。ドラドラ赤赤の超チャンス手、待ちは小林と同じ。このテンパイは、本田の序盤の選択が呼び込んだものだった。
本田はこの局、赤が3枚入った素晴らしい配牌をもらっていた。1枚浮いているドラのはどこかで出ていきそうだし、他家に重ねられる前にといっそ1打目に切る選択もあったかもしれない。
しかし本田はこのを引っ張り、重ねている。
は、配牌の時点で親の沢崎にトイツだった。早々と切っていたら、この局は全く違う展開になっていた。