熱論!Mリーグ【Tue】
まさに捨て牌の一段目!
不調のドリブンズを
村上淳は救えるのか⁉︎
文・渡邉浩史郎【火曜担当ライター】2019年11月12日
早いもので、9月末に始まったMリーグもレギュラーシーズンの1/3を消化した。
「麻雀で例えるなら、捨て牌の一段目が終わったところ」とは本日の解説、土田浩翔プロの言。なんとも気の利いた言い回しだ。
一段目が終わって、未だ苦しい手牌と言えるのはやはり赤坂ドリブンズ。昨年度王者がまさかの抜けた最下位で序盤戦を終えようとしている。
そんな赤坂ドリブンズからは、
リーチ超人、村上淳選手が登板だ。しかし、その超人ぶりは鳴りを潜め、リーチ成功率・和了率ともにリーグ最下位、個人スコア順位も29人中24位とマイナスで苦しんでいる。挽回して昨年王者の面目躍如なるか。
反対に、順調に手牌を整えていると言えるのが3位につけているTEAM雷電。
こちらからはセレブ、黒沢咲選手が登板。個人スコア順位は29人中18位のマイナススコア。ここで勝って全員プラスに転じ、チームにいっそうの勢いをつけたいところだ。
二人が対するは個人4位の魚谷侑未選手(セガサミーフェニックス)と個人6位の小林剛選手(U-NEXTPirates)。好調者二人と不調者二人という構図になった一戦目。それでは見ていこう。
【東1局】
村上に配牌から大物手が入る。
第一ツモでドラが暗刻になった三面子の超勝負手だ!
6巡目でこの形、かなり広いイーシャンテンだ。まさに「捨て牌の一段目」が終わったところ、ドリブンズを救うことができるか。
黒沢はこの形、カンとカンが残っているイーシャンテンから……
シャンテン戻しの打!
ドラのを引いた時に使えるチャンタやマンズの一気通貫。高打点になる種を全て残しつつ、安全牌を抱えるおなじみのセレブ打法だ。
を引いたなら本線は一気通貫とみて打。まっすぐ進めたときと比べて受けは少し狭くなったものの、代わりにカンの出やすさと安全牌を取った形となっている。
黒沢のセレブ打法はガムシャラな打点重視の打ち方とは少し異なる。上の進行のように打点を確保しつつ安全牌を持って他家の先制に押し返しやすくしたり、早めに形を決めることで後の聴牌の和了率を上げているのだ。
村上、理想ともいえるを引いてきてリッチ!!
と持ってきてこれにはさすがのセレブも一時撤退。
しかしを引き戻し、浮き牌も切れるようになった。
そして魚谷がツモ切った村上の現物をポン!
副露率0.05のセレブの鳴き。当然そこには大きなメリットがある。
まず第一にポンしたテンパイの待ちカンが、村上がたった今ツモ切った牌であること。
村上と黒沢の河を見比べると共通現物がととしかない。他家が黒沢のテンパイを意識すれば、むしろ出やすいと言っていいだろう。
そして第二に安牌が完全に足りていること。ポンして切る牌は当然村上の現物であるし、と残り4巡をしのげる現物も持っている。この後で切れない牌を持ってきたとしても、安全に降りることが可能なのだ。
副露率0.05のセレブでもここまで好条件がそろえば鳴きも使っていく。
しかし村上が力強く高めのをツモ!
リーチ・ツモ・一盃口・ドラ3・赤・裏の倍満だ!
長らく報われなかった村上、そしてドリブンズにとって大きなアガリであることは間違いないだろう。
【東2局】
村上の好調が止まらない。
配牌から内側にまとまった手牌。これが……
4巡目に。
7巡目にと引き入れ、なんと赤をコンプリート!
対局後の村上より赤い手牌である。これをアガればさらなる加点が見込めるが……
その裏で強烈な手を進めていたのが魚谷。