ルーティンを重んじる
瀬戸熊直樹、
会心のリカバリー
文・カイエ【火曜担当ライター】2025年9月23日
先週18日と同チームの顔合わせになった本日の闘い。
結果としてこの半荘は8局麻雀(流局1局含む)となり、対局時間も1時間弱という、Mリーグ基準ではとても短い部類に入る、コンパクトな一戦となった。
だが、濃密な半荘だった。
第2試合

東家:竹内元太(セガサミーフェニックス)
南家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
西家:中田花奈(BEAST X)
北家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)
東1局
ドラがだけに悩ましい、よくある「実戦何切る」だ。
が2切れとはいえ、最も手広く、テンパイ時良形率が上がるドラを打つ選択もあるが、

瀬戸熊は切り。
まだ東1局で、自身はラス親。ドラの重なりを逃すのはあまりに痛い。リャンメンから埋まればピンフも確定しないここは、打点の可能性を追った。
そして次巡、

を持ってくると、

を切り、ドラを中心としたリャンカン形にし、いわゆる「ドラの囲い込み」に成功した。これでタンヤオ・ドラ1の打点は最低限、確保。

親の元太も、終盤までしぶとく保持していたダブを重ねると、すぐにこれが鳴けて、ドラ1で5800のテンパイ。
待ち。

リャンメン・リャンカンのイーシャンテンが少し長引いた瀬戸熊も、ようやく追いつく。リャンカンはカンの方を選択。見た目の枚数は1枚少ないが、親の元太の現物待ちでダマテンとした。
このあと中田からリーチが飛んでくるも、

元太からリーチの中筋かつテンパイ維持のが打ち出され、タンヤオ・ドラ1=2600点のアガリ。
プレイヤー解説の内川幸太郎(EX風林火山)は「オーラスの瀬戸熊さんは強いイメージがある」と語った。その言葉通りの、幸先良いスタート。
東3局は瀬戸熊がカン待ちのリーチを敢行。

内川「瀬戸熊さん、カンチャンの5待ち、好きっすねー」
確かに、そのようなイメージはある。
先ごろ、体調の悪化により鳳凰戦リーグ引退が発表された前原雄大プロは、ガラクタリーチ(=打点もなく、待ちも悪いリーチの総称)の使い手として有名だが、近年の寿人よりむしろ、瀬戸熊の方にチームガラクタへの適性を感じてしまうほどだ。愚形上等。
むろん赤有りのMリーグルールにおいて、ドラ1愚形は即リーで良いし、5待ちは期待値の悪くない待ちだ。だが、ここは瀬戸熊の一人テンパイで流局。
続く東4局は、初戦で役満のアガリのみでトップを獲得した仲林が、

巧くまとめて、チャンタ・ドラ2の1000・2000は1100・2100のアガリ。今シーズンの自身の平均打点を下げていく。供託と積み棒を除くと(32000+4000)÷2=18000点の等式が成り立つ。ネタバレになるが、ここから仲林に加点はなく、半荘2回で平均打点18000点の、今後の推移にも注目だ。
南1局
微差ながらトップで迎えた瀬戸熊、南入の配牌。

ドラドラ赤はあるが、他はバラバラで、どうにか4種ある役牌を重ねたい手。
すると3巡目に首尾よくが重なり、直後に元太からポン。

副露しての切り番。1枚切れのペンに少し不満があり、重ねても打点上昇の可能性は少ない
切りが普通にみえるが、

瀬戸熊は、孤立数牌のを放つ。
局後のインタビューでは、ペンは上家の中田がもう一度切ってくれる可能性があること、
の縦重なりの変化もあること、一応現状トップ目でラス親もあり、そこまで目一杯にガツガツいく方針ではなかったこと等が語られた。
実は本日の1試合目では、萩原聖人が苦杯を舐めていた。過集中によるボーンヘッドもあった。
チーム戦は助け合い。
ここは最年長として、雷電のためにポイントをリカバーしないといけない。