Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 5月15日〜 5月19日
朝日新聞Mリーグ2022-23ファイナルが終了し、7ヵ月以上にわたる激闘の末に、5シーズン目となるMリーグの優勝チームが決まった。
対戦カード:EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・TEAM雷電
■5月15日(月)
第1試合
序盤は劣勢だった瀬戸熊が東4局の親番で瑠美から18000をアガって巻き返すと、そこからさらに加点して日向・高宮をかわし、逆転勝利を収めた。瑠美は2度の18000放銃が響き、ラスに終わっている。
1位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+62.3
2位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+8.2
3位 日向藍子(渋谷ABEMAS)▲17.2
4位 二階堂瑠美(EX風林火山)▲53.3
【観戦記】
「仲間が勇気付く麻雀を打つ」 逆境の中、瀬戸熊直樹は一歩前に踏み出した──(江崎しんのすけ)
第2試合
多井が愚形待ちでも積極的にリーチをかけていってアガリをものにし、滝沢との競り合いを制して快勝。オーラス、本田は多井の着順を下げるためにアガらずのフリテンリーチを敢行、見事にツモアガるも逆転には至らなかったが、優勝への執念を見せた。
1位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+58.8
2位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+14.2
3位 本田朋広(TEAM雷電)▲12.4
4位 勝又健志(EX風林火山)▲57.6
【観戦記】
俺には雷電DNAが埋め込まれているんだ 本田朋広、優勝への執念(徳岡明信)
■5月16日(火)
第1試合
滝沢が東4局の親番でリーチ一発ツモ四暗刻、16000オールの超大物手を決める。そのまま大きなトップを獲得し、逃げるABEMASを猛追する大きなトップを獲得した。
1位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+83.8
2位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)▲5.8
3位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲26.4
4位 萩原聖人(TEAM雷電)▲51.6
【観戦記】
嵐の中でたたずむ男 滝沢和典、四暗刻一閃【 役満 】(東川亮)
第2試合
松本がライバルであるKONAMI麻雀格闘倶楽部・寿人からの直撃を含む2度の親ハネ満を決め、終わってみれば100ポイント越えの圧勝。眼下に迫ったKONAMI麻雀格闘倶楽部を再び突き放し、渋谷ABEMASが優勝へとさらに前進した。
1位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+106.8
2位 勝又健志(EX風林火山)▲6.6
3位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲38.5
4位 黒沢咲(TEAM雷電)▲61.7
【観戦記】
mission complete(越野智紀)
■5月18日(木)
第1試合
白鳥が要所でアガリを重ねてリードを広げると、最後は逆転を狙う各者の猛攻にさらされるも逃げ切って価値あるトップを獲得。白鳥を捉えきれなかった伊達は、試合後に自身の選択について後悔の念を語り、言葉を詰まらせる姿があった。
1位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+57.0
2位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+7.3
3位 勝又健志(EX風林火山)▲16.2
4位 本田朋広(TEAM雷電)▲48.1
【観戦記】
悔し涙を浮かべたこと、あなたは最近ありますか? (ゆうせー)
第2試合
亜樹が高打点のアガリをものにして快勝、チームのファイナル初トップを獲得した。多井は我慢の展開が続いたが、オーラス親番のチャンスをものにして最終的には2着で試合を終え、チームの優勝を決定的なものとした。
1位 二階堂亜樹(EX風林火山)+60.6
2位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+11.7
3位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲17.8
4位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)▲54.5
【観戦記】
優勝争いの最中で、4人が見せたそれぞれの『らしさ』(東川亮)
■5月19日(木)
第1試合
奇跡の逆転優勝を狙うKONAMI麻雀格闘倶楽部は、ポストシーズン好調の滝沢がここでも高打点のアガリをものにして勝利。ABEMASとの差を詰めて、最終戦の選手へとバトンを渡した。松ヶ瀬2着・萩原4着という結果で雷電と風林火山の3位争いは、着順勝負の様相を呈して最終戦へと委ねられることとなった。
1位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+64.5
2位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)+14.6
3位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)▲24.6
4位 萩原聖人(TEAM雷電)▲54.5
【観戦記】
千といくつかの夜を越えて 萩原聖人が語った「ユニバースに伝えたい 伝えなきゃならないこと」(渡邉浩史郎)
第2試合
今シーズンの最終戦、東1局では多井が寿人とのリーチ対決を制して12000を直撃、そのままトップを獲得して、チームの初優勝に花を添えた。熾烈を極めた3位争いは黒沢が勝又を抑え込み、3位の座を死守して初のファイナルを終えた。
1位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+59.8
2位 黒沢咲(TEAM雷電)+6.1
3位 勝又健志(EX風林火山)▲17.0
4位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲48.9
【観戦記】
「世界一おもしろい麻雀というゲームに感謝」 耳にこびりついて離れない 渋谷ABEMAS藤田監督のファイナルメッセージ(ZERO / 沖中祐也)
■ピックアップMリーグ
黒沢咲、1000万円の決死の逃走劇【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・ファイナル最終日】
ファイナル最終戦、チームの3位を守るべく得意ではない条件戦で力を尽くした、黒沢の闘牌と重圧が描かれている。
■5/15-5/19の結果
ファイナル最終週は、8戦で4勝を挙げた渋谷ABEMASが一気に突き抜けると、他の追随を許さず先頭でゴールを駆け抜けて、Mリーグ5シーズン目にして悲願の初優勝を果たした。2位のKONAMI麻雀格闘倶楽部、3位のTEAM雷電はいずれもチーム過去最高順位を達成するとともに、初めて賞金圏内を確保。史上初となる2度目の優勝を目指したEX風林火山だったが、中盤での連敗が響き、4位でシーズンを終えた。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。