ファイナル前夜

最強戦実行委員長の金本です。

ついに明日からファイナルが始まる。

選手のみなさんは準備万端で早く寝てるか、もしくはMリーグで実戦中だ。

このすきにひっそりと今年を振り返ろう。

まずは2月。

まだ寒い中で近藤誠一プロが初戦で優勝を決めた。一年前の最強位で2か月前のファイナルでも決勝で鈴木大介さんに敗れるまでMリーグでも勝ちまくっていて

僕は優勝ボードを渡しながら「いま一番強い麻雀プロ」と閉会式で言った。

言った瞬間にしまったと思った。

多井隆晴プロが「それは俺だろ」画面につっこんでるのが脳裏に浮かんだ。

3月。

コロナのワードが毎日のようにささやかれ始める中、ベテラン雀士が集まった。1か月後ならどうなっていたか。

井出洋介プロが予選で森山茂和プロを絞り殺したのが印象的で決勝もオーラスまで大差をつけてトップ目。しかしラス目の新津潔プロが終盤になって急に猫背丸出しで指先に力を入れ始めた。

四暗刻。

ぐりぐり盲牌も印象的だったがまくられた後の井出プロの不満そうな顔。

あーこの人解説ではいい人だけど負けず嫌いなんだなと共感。

 

4月。

プロのトップリーグ16人を集めた大会。ついに自粛のための欠席者が出た。嶋村俊幸プロだ。

さらに解説予定の坂本大志プロがコロナになったことがニュースで飛び込んだ。そして発症する数日前に4半荘放送対局で同席した多井プロ、堀プロ、原プロも解説として呼んでいたのだが、この3人も念のためキャンセル(結果的には3人とも感染していなかったが)となった。

ということで解説は瀬戸熊直樹プロに怒涛の5半荘を急遽お願いすることに。

「困ったときは助け合うしかないでしょ」と引き受けてくれた瀬戸熊プロに感謝する日となった。

 

出場辞退した嶋村プロの代わりに出た新井啓文プロが優勝したのも今年のコロナならではの出来事だったねと、来年思えるように今は願う。

 

5月。

選手にはマスクをお願いして出てもらった。朝倉康心プロがチンイツの待ち選択でミスをしたのだが、僕はこれはマスクのせいだと思っている。マスクをして打つと呼吸が大変で酸素不足になる。僕自身が今雀荘に行っていないのはコロナに感染するのが怖いというよりマスクをして打つのが苦しいからだ。プロはもっと真剣に打つので、この日の選手がベストパフォーマンスをできたとは思えない。にっくきコロナめ。なお朝倉プロにこのことを言っても「マスクのせいではない」とあくまで自分のせいにした。彼はいつも僕の言うことを否定する。

優勝は絶対に僕のことを、というかどんなに弱い人の発言も否定しない滝沢和典プロ。

うなずく力。

 

6月。

緊急事態宣言は明けたが、世の中は静かだ。三浦智博プロが優勝したが、

この日議論になったのは予選オーラスの岸赳生プロの差し込みだ。

ほぼ8000点ないだろうという3フーロしている人に差し込んだらまさかのドラ対子で8000でしたというもの。

5300点差のライバル河野直也プロにもすでに逆転のテンパイが入っており、オリても地獄、差し込んだらもっと地獄だった。岸プロと控室で悔しそうに話しながら、今回ので麻雀のモチベーションが上がったと言っていたのがうれしかった。独り身の時狂ったように毎晩麻雀を打っていても、子供ができると急にそれが難しくなるのを知っているので頑張って欲しい。

 

そして7月は二連戦があった。

まずは岡田紗佳プロが優勝した。

3年前のアシスタントの頃から「こんなに事前予習して麻雀のシーンを勉強してくる人はいないわ」と思っていたが案の定強くなって帰ってきた。

大舞台の放送対局での優勝確率もすごいという。これは明日も…?

次の日の男子プロ大会は、南3局にトップ目仲林圭プロが前田直哉プロに放銃したことで4人の持ち点がみんな2万点台と僅差になった。その瞬間、実況の日吉さんが叫んだ。「全員集合~~!」

彼は今もMリーグ実況中だが明日から7半荘やり切ってくれる。解説の補佐を受けながら盛り上げて欲しい。

優勝した前田直哉プロ。新津潔プロとはシンプルに身体がぶつかるんじゃないかと心配の猫背対決。

 

8月序盤。

去年までファイナリストの資格を持っていた鳳凰位や最高位などのタイトルホルダーで一番強い雀士を決める戦いを行った。鈴木大介さんの辛口解説が冴えわたる。そうそう、言いたいことを言えるのが最強位です。明日勝った人はこの立場になってください!

選手へのリスペクト?そんなの当たり前で、その上でみんな仕事として解説してるのだから許しておくれ。プロやめた方がいいって言うわけじゃないんだから許しておくれ(秘)。

優勝は四暗刻テンパイで堀慎吾プロが打たなくてもすぐにツモっていたという、役満プリンス本田朋広プロ。グランプリマックスで優勝し、今行われている十段戦も決勝まで残っており、勢い№1じゃないだろうか。これはひょっとして…。

 

2週間後には著名人戦で堀江貴文さんが優勝。

もしファイナルで堀江さんが勝つようなら僕は「ビジネスに必要なことは全て麻雀から学んだ」という本を書いてもらおうと思う。

藤田晋さんが最強位になった時に「仕事が麻雀で麻雀が仕事」という本を書いてくれたんだから堀江さんにだって麻雀本を出す義務がある。

 

9月。

女流プロ戦は渋い投手戦のような戦いになり黒沢咲プロが逃げ切った。明日がファイナルなのに今Mリーグで打って堂々とトップを取っている。このタフさを支えているのはなんだ?寿司か?ケーキか?焼肉か?

そして前も書いたがオーラスの高宮まりプロが最後の1巡を残して勝負からオリた判断は議論を呼んだ。議論になるのはいい。僕も含め麻雀好きは議論好きだ。

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