Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 4月17日〜 4月21日
朝日新聞Mリーグ2022-23セミファイナルは早くも折り返しを迎えたが、スタート時と比べて状況は大きく変わってきている。中盤戦の激闘を経てどのような展開になっているのか、ご確認いただきたい。
■4月17日(月)
対戦カード: KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
優が東2局にハネ満を決めてトップ目に立つと、南3局 の親番では満貫をツモってダメ押し、そのまま逃げ切ってセミファイナル初トップを獲得。チーム8連戦の初戦を飾った。セミファイナル初出場となった伊達は、2着で試合を終えている。
1位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+67.2
2位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+2.7
3位 日向藍子(渋谷ABEMAS)▲20.8
4位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)▲49.1
【観戦記】
錨を上げろ! 特攻隊長・鈴木 優が先陣を切り、パイレーツの逆襲が始まる(江崎しんのすけ)
第2試合
序盤は滝沢が大きなリードを築く展開となったが、東3局に仲林が滝沢からの直撃に成功、黒沢との競り合いを制してチーム同日連勝を決めた。滝沢は序盤のリードから厳しい放銃が続き、4着に沈んだ。
1位 仲林圭(U-NEXT Pirates)+57.8
2位 黒沢咲(TEAM雷電)+12.3
3位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)▲13.6
4位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲56.5
【観戦記】
【悲報】麻雀の残酷さが詰め込まれた試合が放送されてしまう─ 滝沢 和典に襲い掛かる悲劇のブルーマンデー(徳岡明信)
■4月18日(火)
対戦カード: EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS・U-NEXT Pirates
第1試合
前日に続いての出場となった優がこの試合でもリードを築くが、南2局に渋川が優から大物手を出アガリして逆転、そのままトップを獲得した。渋谷ABEMASは松本が4着、苦戦が続いている。
1位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)+58.3
2位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+5.9
3位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲18.4
4位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)▲45.8
【観戦記】
減点法の男、鈴木 優に私の絶賛なんぞは届かない Piratesの剣ヶ峰で見せた後悔とは(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
多井が東1局にハネ満ツモで大きく加点。アガリはこの1回だけだったが、その後は的確な守備や絞りでリードを守り切り、トップを獲得した。オーラスは勝又が堀を制して3着をキープして試合を終えた。
1位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+56.7
2位 小林剛(U-NEXT Pirates)+11.3
3位 勝又健志(EX風林火山)▲14.1
4位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲53.9
【観戦記】
宇宙人とロボ(越野智紀)
■4月20日(木)
対戦カード: EX風林火山・渋谷ABEMAS・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
各チームのエース格が連闘となった試合で、トップを獲得したのは本田だった。東4局1本場に、多井からチンイツ赤のハネ満を出アガリ。今シーズンの躍進著しい男が、重要な局面で大きな結果を持ち帰った。
1位 本田朋広(TEAM雷電)+56.7
2位 小林剛(U-NEXT Pirates)+3.6
3位 勝又健志(EX風林火山)▲18.9
4位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)▲41.4
【観戦記】
2億4千万の瞳に映った「侍」本田・ジャパン・朋広の勇姿(ゆうせー)
第2試合
流局が多くジリジリとした展開になった試合は、オーラスを迎えた段階で全員が2万点台となる「全員集合」に。瀬戸熊が一度は3万点を超えたが、最後は白鳥が逆転してトップを獲得、初戦で多井が食らったラスのリカバリーに成功した。
1位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+53.1
2位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+10.2
3位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲19.2
4位 仲林圭(U-NEXT Pirates)▲44.1
【観戦記】
均衡が生み出す7度の流局、揺れる振り子が示した勝者は(東川亮)
■4月21日(金)
対戦カード:EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・U-NEXT Pirates
第1試合
前夜の敗戦から連闘となった仲林が要所で大物手をツモり切って快勝。自身のマイナスを返済するとともに、チームをプラス域目前まで導いた。亜樹は2戦連続の4着と、苦戦が続いている。
1位 仲林圭(U-NEXT Pirates)+71.6
2位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+2.2
3位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)▲21.7
4位 二階堂亜樹(EX風林火山)▲52.1
【観戦記】
「行けるよな?」監督のその言葉が、仲林にはある男の声とダブって聞こえた(渡邉浩史郎)
第2試合
東4局、勝又が狙い澄ました東待ちで伊達から直撃を取ると、次局にはハネ満をツモって大量加点に成功。そのままで逃げきってトップで試合を終え、2桁になっていたチームポイントを3桁に戻した。
1位 勝又健志(EX風林火山)+73.2
2位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+5.4
3位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲24.8
4位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)▲53.8
【観戦記】
回収するのは、勝利と伏線?! 軍師 勝又 健志が張り巡らせた[罠]とは(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
鎬を削る最終局面──! オーラスの絶対強者 仲林 圭【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・4月17日】
アガリトップながら手の悪かった仲林が、それでも他者への圧をかける仕掛けによって自分に都合のいい結果を誘発した巧みな手順が紹介されている。
■4/17-4/21の結果
パイレーツは勝負の8連戦を3-4-0-1で駆け抜け、178.7ポイントをプラスして5位浮上、4位も目前まで迫っている。また、2強状態でセミファイナルに突入した麻雀格闘倶楽部と風林火山が共にポイントを減らしており、ここにきて混戦ムードが一気に高まってきた。
■4/24-4/28の注目ポイント
まずは現状6位のサクラナイツがどこまで巻き返していけるかに注目したい。試合数を考えれば、この週の勝ち負けが最終結果に大きく関わるだろう。5位のパイレーツは木曜日まで試合がなく、その段階でどのような順位になっているかは興味深い。そして雷電は悲願のファイナル進出に向けて、さらに加点していきたいところ。ここまで来たら、狙うは首位浮上だろう。もはや一戦たりとも目が離せない展開が続く。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。