Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 4月10日〜 4月14日
いよいよ始まった朝日新聞Mリーグ2022-23セミファイナル。昨シーズンから4試合増えたとはいえ、ポイントを半分にしての20戦勝負は、やはり序盤をどのように戦っていくかが重要だ。開幕週の模様を振り返る。
■4月10日(月)
対戦カード:EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・U-NEXT Pirates
第1試合
寿人が序盤から高打点のアガリを決めて他3者を圧倒。5万点オーバーの快勝で、セミファイナル開幕戦を飾った。亜樹は寿人を追撃するも2着まで。瑞原は箱下の4着と、各チームの明暗がくっきりと分かれた結果となった。
1位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+72.8
2位 二階堂亜樹(EX風林火山)+20.7
3位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)▲31.3
4位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)▲62.2
【観戦記】
目覚めた魔王の全てを消し去る一撃 セミファイナルの幕が開く──(江崎しんのすけ)
第2試合
多井が開局早々にハネ満をツモってリードをつくると、微差で迎えたオーラスにはリーチツモ裏4のハネ満で大量加点に成功。自身のセミファイナル初戦をトップで飾った。高宮はオーラスに四暗刻をツモる手順があったが実らず、2着どまりとなった。
1位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+62.0
2位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+1.4
3位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲21.1
4位 鈴木優(U-NEXT Pirates)▲42.3
【観戦記】
「俺たち渋谷 ABEMASが勝つ」勝利に飢えた多井 隆晴が放つ 魂の役無しドラ無し愚形リーチ(徳岡明信)
■4月11日(火)
対戦カード: KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
岡田が序盤からアガリを重ね、終わって見れば5万点オーバーの大きなトップを獲得。本田は厳しい戦いとなるも、最終的にはオーラスの満貫ツモで3着に浮上して試合を終えている。
1位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)+74.1
2位 仲林圭(U-NEXT Pirates)+15.6
3位 本田朋広(TEAM雷電)▲32.8
4位 滝沢和典(EX風林火山)▲56.9
【観戦記】
倒れるときは前のめりに 本田 朋広、ユニバースが5年間夢見た ファイナルステージへ導く(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
黒沢が持ち前の高打点のアガリを連発して快勝。チームにセミファイナル初勝利をもたらした。オーラスは堀が満貫ツモで小林を逆転して3着に浮上。パイレーツは早くもセミファイナル3ラス目となった。
1位 黒沢咲(TEAM雷電)+82.7
2位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+0.6
3位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲28.6
4位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲54.7
【観戦記】
■4月13日(木)
対戦カード: EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS・TEAM雷電
第1試合
渋川が要所で加点してオーラスを迎え、そのまま逃げ切ってトップを獲得。自身のセミファイナル初戦、そして新婚初戦を勝利で飾った。オーラスは瀬戸熊が松ヶ瀬から満貫の直撃を取ることに成功、2着に浮上して試合を終えた。
1位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)+54.9
2位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+9.7
3位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲20.4
4位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)▲44.2
【観戦記】
「勝って、妻のもとへ帰るんだ…!」荒れ狂うオーラスを渋川 難波は凌ぎきれるか!?(ゆうせー)
第2試合
白鳥が狙い澄ました単騎選択で黒沢から18000を直撃、大量加点を生かしてトップを獲得した。手痛い一撃を被った黒沢は、南3局にツモって満貫のテンパイを拒否して倍満をツモるという「セレブ麻雀」で2着まで浮上した。
1位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+63.6
2位 黒沢咲(TEAM雷電)+11.3
3位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)▲24.8
4位 二階堂瑠美(EX風林火山)▲50.1
【観戦記】
■4月14日(金)
対戦カード:EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・TEAM雷電
第1試合
EX風林火山は、勝又健志がセミファイナルに初出場。南場に入って的確にアガリを重ね、チームにセミファイナル初勝利を持ち帰った。オーラスでは親番の本田が連荘してラス抜けに成功している。
1位 勝又健志(EX風林火山)+62.5
2位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+2.5
3位 本田朋広(TEAM雷電)▲20.4
4位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲44.6
【観戦記】
勝又サービスセンター、休業!?アシストせずの「真意」とそこに潜む「野望」(渡邉浩史郎)
第2試合
瀬戸熊が東場の親番で満貫、ハネ満と高打点のツモアガリを連発して大きなリードを築くと、その後は確実なゲーム回しを遂行し、終わって見れば7万点台の大勝。チームを3位に押し上げた。
1位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+95.9
2位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+3.0
3位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)▲32.5
4位 二階堂亜樹(EX風林火山)▲66.4
【観戦記】
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■ピックアップMリーグ
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役満・四暗刻を逃した高宮がさらにできたであろう選択について触れ、麻雀におけるさらなる気付きを促す内容となっている。
■4/10-4/14の結果
躍進したのはTEAM雷電。6戦で2勝ラスなしと着実にポイントを伸ばし、マイナススタートから3位まで浮上した。一方、パイレーツは4戦消化ながら3ラスと大苦戦し、マイナスを増やしてしまった。上位グループはKONAMI麻雀格闘倶楽部・EX風林火山ともにセミファイナル開始時から少しポイントを減らしているが、まだまだリードは十分に保っている。
■4/17-4/21の注目ポイント
U-NEXT Piratesは今週、4日間全てで試合がある。現状は離れた6位に位置しているが、この連戦で一気に巻き返すことができるか。もし負け越すようであればセミファイナル敗退の1枠が事実上確定してしまいかねないだけに、選手起用も含め、パイレーツの動向には注目が集まるだろう。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。