Mリーグweeklyダイジェスト
2022年 12月12日〜12月16日
Mリーグweeklyダイジェスト【2022 12/12-12/16】
毎週激戦が繰り広げられている、大和証券Mリーグ2022-23レギュラーシーズン。そろそろ折り返しを迎えようかというタイミングではあるが、毎節のように順位の変動があり、ファンのみなさんも一喜一憂していることだろう。今週も、さまざまな名場面が生まれた。
■12月12日(月)
対戦カード:KADOKAWAサクラナイツ・セガサミーフェニックス・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
南1局、内川がチートイツのテンパイを入れるも、因縁の単騎によるアガリを逃してしまう。しかし南2局に今度は見事にチートイツを決めてトップに浮上、アガリトップのオーラスはわずか3巡でアガリを決め、自身の3勝目を飾った。
1位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+55.6
2位 萩原聖人(TEAM雷電)+11.8
3位 仲林圭(U-NEXT Pirates)▲11.0
4位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)▲56.4
【観戦記】
「西」の因縁を断ち切れ! 内川幸太郎の単騎選択によって生まれた勝負の綾(江嵜晋之介)
第2試合
3者に現実的な条件の残ったオーラスで、茅森が1000-2000ツモ条件を鋭い仕掛けでクリアし、逆転勝利を収めた。久しぶりのMリーグ出場で連闘となった萩原だったが、内川とのめくり合いで18000を放銃するなど厳しい展開となり、この試合は4位に終わっている。
1位 茅森早香(セガサミーフェニックス)+55.1
2位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+12.8
3位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)▲13.0
4位 萩原聖人(TEAM雷電)▲54.9
【観戦記】
雪原の終わりは見えずとも 萩原聖人の戦いは続く(東川亮)
■12月13日(火)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS
第1試合
序盤にリードを広げるたろうを松本が猛追し、2人によるつばぜり合いとなった一戦。たろうが南1局のハネ満で突き放すと、最後は松本が逆転に向けて裏ドラ期待のリーチをアガるも裏は乗らず、たろうが逃げ切って勝利した。
1位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)+66.9
2位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+25.5
3位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲35.0
4位 二階堂亜樹(EX風林火山)▲57.4
【観戦記】
そう信じる者しか救わない せこい神様 拝むよりは(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
多井が東3局の親番でフリテンリーチをツモアガって4000オールと大きく加点。リードを作ると、その後は盤石のゲームまわしで逆転を許さず、トップを獲得した。村上はオーラスの満貫ツモで4位から2位に浮上し、チームにプラスポイントを持ち帰っている。
1位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+52.7
2位 村上淳(赤坂ドリブンズ)+7.0
3位 勝又健志(EX風林火山)▲19.5
4位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲40.2
【観戦記】
麻雀星人対策委員会(越野智紀)
■12月15日(木)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部
第1試合
丸山が南3局までリードして試合を進めるも、南3局の親番で瑠美が高打点のアガリを連発。終わってみれば7万点オーバーの大きなトップを獲得した。丸山は自身の初勝利に手が届きかけていたが、悔しい2位となっている。
1位 二階堂瑠美(EX風林火山)+92.3
2位 丸山奏子(赤坂ドリブンズ)+4.7
3位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲24.2
4位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)▲72.8
【観戦記】
嵐を起こして 全てを壊すの 私は“天衣無縫”二階堂瑠美!(ゆうせー)
第2試合
南1局、高宮が松ヶ瀬のリーチに裸単騎で押し切る。その後はハネ満・満貫のアガリで大きく加点して、トップで試合を終えた。高宮はこれで個人成績チームトップ、全体でも6位に浮上と、好成績を収めている。
1位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+64.0
2位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+12.3
3位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲11.4
4位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲64.3
【観戦記】
力強くも艶やかに 高宮まり、純白の裸単騎(東川亮)
■12月16日(金)
対戦カード: 渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
個人成績1位の本田と2位の瑞原が激突した試合は、本田が南1局親番でのハネ満ツモで突き抜けて快勝。今シーズン2度目の3連勝を決めた。瑞原は南3局の親番でドラ6確定の超大物手をリーチするもツモれず、この試合は2位となっている。
1位 本田朋広(TEAM雷電)+66.8
2位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)+13.7
3位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)▲22.7
4位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)▲57.8
【観戦記】
……もしかしたらMリーグはとんでもない怪物を起こしてしまったのかもしれません(渡邉浩史郎)
第2試合
小林が南1局の親番で、ハネ満ツモを含む大連荘で大きく加点して快勝。パイレーツはこの日の瑞原・小林のプラスでマイナス圏を脱出、持ちポイントを3桁目前まで上積みすることに成功した。瀬戸熊も要所で加点し、この試合は2位で終えている。
1位 小林剛(U-NEXT Pirates)+87.2
2位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+17.3
3位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)▲29.8
4位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)▲74.7
【観戦記】
真に最強たれ 最強位瀬戸熊直樹が欲する 次の頂点(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
岡田紗佳の振り上げた蟷螂(とうろう)の斧──その小さな抵抗がもたらした毒【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・12月15日】
大きなラスに終わった岡田が、その中でも丸山の手を曲げさせた執念の切り出しについて触れられている。
■12/12-12/16の結果
上位陣がポイントを減らす中、この週の勝ち頭は100ポイント強のプラスを稼いだU-NEXT Piratesとなった。TEAM雷電も本田の活躍によって、あと1トップでプラス域に浮上するところまでポイントを戻している。一方、この週の結果によってセガサミーフェニックスが最下位に転落してしまった。
■12/19-12/23の注目ポイント
最下位に後退したセガサミーフェニックスだが、2019-2020シーズンは年末年始にかけて5連勝、その勢いに乗ってレギュラーシーズンを首位通過しており、年末最終週には悪いイメージはないだろう。浮上のカギを握るのは、いまだ本来の力を発揮し切れていない近藤誠一と見る。チームの起爆剤となる、近藤らしい伸びやかな麻雀での快勝に期待したい。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。