Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 3月3日〜 3月10日
大和証券Mリーグ2022-23、レギュラーシーズンは残り10試合を切り、いよいよ各チームの思惑がはっきりしてきた。上位2チームはセミファイナル進出が当確と言っていい状況だが、中位、そして下位のチームにとっては、1戦1戦が大きな意味を持つ、しびれる戦いが続く。
■3月6日(月)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・セガサミーフェニックス・U-NEXT Pirates
第1試合
南2局、仲林が役満・国士無双のテンパイを入れ、滝沢からロン牌の9mが打たれるも、直前にリーチをかけていた村上に頭ハネされてしまう。役満が幻と消えた仲林だったが、その後も冷静に打ち切って、最終的にはトップで個人5勝目を獲得した。
1位 仲林圭(U-NEXT Pirates)+49.5
2位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+7.2
3位 東城りお(セガサミーフェニックス)▲17.0
4位 村上淳(赤坂ドリブンズ)▲39.7
【観戦記】
「しかたない、コツコツやるか…」 仲林圭はいつまでも落ち込まず、今日も積み立てる(江崎しんのすけ)
第2試合
園田・高宮・東城の三つ巴となった試合は、園田が要所を制してトップを獲得。チームの可能性をつないだ。連闘となった東城は箱下のラスとなってしまい、チーム状況はかなり厳しくなってしまっている。
1位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+71.4
2位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+13.0
3位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)▲10.9
4位 東城りお(セガサミーフェニックス)▲73.5
【観戦記】
「奇跡」を「現実」に 園田賢が魅せる「生存」への「執念」(徳岡明信)
■3月7日(火)
対戦カード:EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS・TEAM雷電
第1試合
序盤は亜樹が高打点のアガリを連発してワンサイドゲームになるかと思われたが、南場に入って岡田が一気に巻き返し、逆転で個人3連勝を飾った。日向は箱下のラスと、チームにとって個人にとっても痛い試合となった。
1位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)+95.7
2位 二階堂亜樹(EX風林火山)+7.5
3位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)▲30.9
4位 日向藍子(渋谷ABEMAS)▲72.3
【観戦記】
サクラ開花宣言! 完全なる岡田紗佳の半荘(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
松ヶ瀬隆弥が開局早々に親でハネ満ツモを決めて大きくリードを広げると、その後も盤石のゲーム回しを見せて快勝。チームのプラスポイントを700台まで乗せた。食い下がった萩原だったが、最後の松ヶ瀬への放銃により、ラスで試合を終えている。
1位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)+70.3
2位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+20.8
3位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲35.4
4位 萩原聖人(TEAM雷電)▲55.7
【観戦記】
逆境とは(越野智紀)
■3月9日(木)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・渋谷ABEMAS・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
南2局、ボーダーラインを挟んで争う本田とたろうの手がぶつかり、本田が制して一気にトップ目へと浮上する。オーラスは白鳥が裏1で逆転のリーチを本田からアガるも裏は乗らず、本田が勝利を収めた。たろうはあまりに厳しい箱下のラスとなっている。
1位 本田朋広(TEAM雷電)+59.1
2位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+16.6
3位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲9.0
4位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)▲66.7
【観戦記】
「頼む…ツモらせてくれ…!」 ゼウス鈴木たろうが神と仲間に祈った瞬間(ゆうせー)
第2試合
東2局、黒沢がポンテンの3900をスルーしてハネ満ツモに仕上げるという、これぞ「セレブ麻雀」というアガリを決めてリードして逃げ切り、チームのデイリーダブルを決めた。順位争いが熾烈になる中で、最後は園田がテンパイノーテンの差で多井をかわしてラスを抜けている。
1位 黒沢咲(TEAM雷電)+61.0
2位 鈴木優(U-NEXT Pirates)▲7.4
3位 園田賢(赤坂ドリブンズ)▲24.0
4位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)▲44.4
【観戦記】
泰然自若・黒沢咲のセレブ麻雀は 正念場でこそ輝きを放つ(東川亮)
■3月10日(金)
対戦カード:EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・セガサミーフェニックス
第1試合
東1局、近藤がフリテンのシャンポン待ちを一発でツモるという衝撃の満貫を決めてリードを作り、そのまま逃げ切ってトップを獲得した。4連勝が懸かっていた岡田も食い下がったが、この試合は2着となっている。
1位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)+65.9
2位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)+7.2
3位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲25.9
4位 二階堂亜樹(EX風林火山)▲47.2
【観戦記】
「一局」集中! 近藤誠一、魂の大芝居(渡邉浩史郎)
第2試合
接戦で進んだ試合は、内川が南3局に茅森から満貫を出アガリしてトップ目に立つ。オーラスでは茅森があわや逆転の倍満というリーチをかけるが実らず、内川がトップで試合終了。ラスとなった茅森のフェニックスは、いよいよ厳しい状況となった。
1位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+54.2
2位 勝又健志(EX風林火山)+9.3
3位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲19.4
4位 茅森早香(セガサミーフェニックス)▲44.1
【観戦記】
ラス目であっても焦ることなし 冷静沈着な軍師勝又健志は 今日もチームの為羽扇を振るう(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
対戦相手への敬意と、自身の矜持で── 萩原聖人はその牌を掴み取った【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・3月7日】
萩原の、相手の読みをかいくぐってアガリをもぎ取り、勝利をつかみ取らんとする打ち筋について触れられている。
■3/6-3/10の結果
週の勝ち頭はKADOKAWAサクラナイツ。100ポイント以上をプラスし、マイナス圏脱出まで目前のところまで迫った。敗退ゾーン脱出を狙っていたフェニックス・ドリブンズはいずれもポイントをさらに減らしてしまい、残り試合も減る中で、かなり厳しい状況となってしまっている。
■3/13-3/17の注目ポイント
セミファイナル進出ボーダーの6位はTEAM雷電。7位・セガサミーフェニックスとの差は300ポイント弱と大差だが、両チームは残り6試合で全て直接対決 となる。結果いかんでは十分に入れ替わることもあり得るだけに、バチバチの戦いが繰り広げられそうだ。また、3月17日は多井隆晴が誕生日を迎える。ABEMASは当日に試合があり、初のバースデー出場が見込まれるので、ここを不振脱出のきっかけとしていきたいところだ。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。