Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 1月30日〜2月3日
2月に入り、大和証券Mリーグ2022-23、レギュラーシーズンはいよいよ佳境を迎える。一週間、各チーム4試合を消化していくごとに、刻一刻と状況は変わっていく。中位から下位のチームは、セミファイナル、そして上位との差を詰めていくことをそろそろ意識していきたいタイミング。今週もさまざまな激闘、そして駆け引きが生まれた。
■1月30日(月)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・セガサミーフェニックス・U-NEXT Pirates
第1試合
園田が南2局の親番で、ダマテンから相手の挙動と山読みを生かしてのツモ切りリーチで一発ツモ、ハネ満をアガって大きく抜け出し、トップを獲得。オーラスは滝沢が裏1条件で3位浮上のところでリーチをツモアガるも裏は乗らず。4位で試合を終えている。
1位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+60.1
2位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)+13.4
3位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲26.0
4位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲47.5
【観戦記】
「お前たちはまだ戦える──」天はまだドリブンズを見放さない 園田賢に訪れた、メークドラマの兆し(江崎しんのすけ)
第2試合
寿人が南2局にリーチの東城から満貫を直撃して逆転。そのまま逃げ切って久しぶりのトップを獲得した。初勝利を目指して戦った村上は、東4局の倍満確定リーチも実らず、4位で試合を終えている。
1位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+61.5
2位 東城りお(セガサミーフェニックス)+15.8
3位 鈴木優(U-NEXT Pirates)▲23.1
4位 村上淳(赤坂ドリブンズ)▲54.2
【観戦記】
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■1月31日(火)
対戦カード:EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS・TEAM雷電
第1試合
最短8局、大きなアガリも満貫が1回だけと小場で進んだ試合。本田が一人テンパイなどで巧みに加点していくと、最後はダブの後付けをツモアガって逆転トップ、個人11勝目を獲得した。今シーズン唯一ラスのない選手だった日向だが、ついにここで土がついた。
1位 本田朋広(TEAM雷電)+51.5
2位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)+10.4
3位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲12.3
4位 日向藍子(渋谷ABEMAS)▲49.6
【観戦記】
8局の電撃戦を数字で語る 止まらない本田朋広のポジティブループ(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
白鳥が東2局3本場に倍満をツモって大きく抜け出す。その後は丁寧に試合を進めてポイントを守り、久しぶりのトップを獲得。いったんは雷電に抜かれて5位に後退していたが、すぐにポジションを戻している。
1位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+67.2
2位 二階堂亜樹(EX風林火山)+10.6
3位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)▲21.3
4位 黒沢咲(TEAM雷電)▲56.5
【観戦記】
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■2月2日(木)
対戦カード: EX風林火山・セガサミーフェニックス・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
接戦となって南場に突入した試合は、近藤が南3局の親番へ瑞原・瀬戸熊との競り合いを制し、満貫をツモって大きく抜け出す。そのまま逃げ切って、今シーズンの個人2勝目を挙げた。
1位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)+64.8
2位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+0.4
3位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)▲20.4
4位 二階堂亜樹(EX風林火山)▲44.8
【観戦記】
黄金の左腕が帰ってきた! 打牌で夢を見せてくれる男 近藤誠一 復活の一勝!(ゆうせー)
第2試合
東1局1本場、瑠美が近藤の5メンチャンリーチとの対決を制して倍満を直撃。東3局の親番では高打点のアガリを連発し、大きなトップを獲得した。連闘でこの試合に臨んだ近藤はマイナスの4位、苦しい結果となった。
1位 二階堂瑠美(EX風林火山)+93.8
2位 萩原聖人(TEAM雷電)+8.5
3位 仲林圭(U-NEXT Pirates)▲24.6
4位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)▲77.7
【観戦記】
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■2月3日(金)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS
第1試合
オーラスを離れたラス目で迎えた松本だったが、起死回生のリーチツモ三暗刻ドラ3裏3の倍満を決め、3人を総まくりして逆転トップを獲得した。親番のたろうは痛恨の親かぶりで4位に。個人はもちろん、チームとしても厳しい結果となった。
1位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+51.1
2位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+9.0
3位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲18.3
4位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)▲41.8
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第2試合
園田は南1局の親番を終えた時点でラス目だったが、その後ハネ満ツモ、3900出アガリと持ち点を回復。オーラスではダブドラドラの満貫を堀から出アガリし、トップを獲得した。最後に放銃した堀は、ドリブンズより上位にいる麻雀格闘倶楽部のトップを嫌った格好。終盤戦ならではの駆け引きが生まれ始めている。
1位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+57.5
2位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+13.8
3位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)▲14.9
4位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲56.4
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■1/30-2/3の結果
この週の勝ち頭は、白鳥・松本で2勝を挙げた渋谷ABEMAS。赤坂ドリブンズは同じく2勝を挙げているが2ラスも引いており、急浮上とはならなかった。U-NEXT Piratesは4連続の3位で、100ポイント近くのマイナスとなってしまっている。
■2/6-2/10の注目ポイント
2月6日には、現状の6位〜8位の3チームによる直接対決がある。3日の試合では堀がドリブンズにトップを取らせるような選択を見せたが、サクラナイツとしては、ここで下のチームを叩いておきたい。一方で下位2チームとしては、当面のターゲットであるサクラナイツを引きずり降ろすチャンス。今シーズンの結果を左右しかねない、重要な一戦になりそうだ。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。