Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 3月13日〜 3月17日
大和証券Mリーグ2022-23、レギュラーシーズンはいよいよ大詰め。特に下位2チームにとってはセミファイナル進出を懸けて、1戦たりとも落とせない苦境に立たされていた。追い詰められた中で繰り広げられる戦い、そしてその結末とは。
■3月13日(月)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・セガサミーフェニックス・TEAM雷電
第1試合
南3局、トップを争っていた萩原と渋川の手がぶつかり、萩原が渋川から満貫を直撃して逆転し、雷電に貴重な一勝をもたらした。いずれも絶対にトップが欲しかった村上、近藤だったが、逆連対でポイントを減らしてしまっている。
1位 萩原聖人(TEAM雷電)+58.5
2位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)+10.1
3位 村上淳(赤坂ドリブンズ)▲18.0
4位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)▲50.6
【観戦記】
「優勢と勝利は似て非なるもの…!」 萩原聖人の覚悟が、チームを新たなステージへ導く(江崎しんのすけ)
第2試合
ここ数戦、南場での逆転劇を見せていた内川が、この試合でも南場に爆発。最後の親番で加点すると、南2局にはトップ目の東城からハネ満を直撃して逆転し、個人3連勝を飾った。
1位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+75.9
2位 東城りお(セガサミーフェニックス)+10.8
3位 本田朋広(TEAM雷電)▲28.9
4位 園田賢(赤坂ドリブンズ)▲57.8
【観戦記】
運命の「night」に降臨した桜の「knight 内川幸太郎が振り下ろした無慈悲な剣(徳岡明信)
■3月14日(火)
対戦カード:EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・U-NEXT Pirates
第1試合
序盤は仲林のペースで進んだ試合だったが、南場で盛り返した寿人がオーラスで満貫をアガって、逆転でトップを獲得した。道中の攻めと守りの的確な押し引きが秀逸な一戦だった。
1位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+57.4
2位 仲林圭(U-NEXT Pirates)+13.3
3位 勝又健志(EX風林火山)▲20.7
4位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)▲50.0
【観戦記】
史上最速の組み合わせ! 追憶の寿人が魅せたノータイムオリとは(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
守備的な日向が攻撃的な愚形リーチを何度も見せた一戦、最後はトップ目の高宮から18000を直撃して一気に逆転、トップを獲得した。高宮は1着から4着まで落ちる痛恨の放銃で、MVP争いから大きく後退することとなった。
1位 日向藍子(渋谷ABEMAS)+62.2
2位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+5.7
3位 二階堂瑠美(EX風林火山)▲23.5
4位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲44.4
【観戦記】
オフェンスNo.1の看板は今日限り降ろしてもらう。おれじゃない、ウチの日向がやる(越野智紀)
■3月16日(木)
対戦カード: EX風林火山・セガサミーフェニックス・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
MVPを争う瑞原と松ヶ瀬の直接対決は瑞原に軍配。道中の効果的な加点でトップ目に立つと、最後は松ヶ瀬が裏1で逆転のリーチをアガるも裏は乗らず、瑞原が逃げ切ってトップを獲得、個人首位の伊達に迫った。
1位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)+53.4
2位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)+11.0
3位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)▲21.0
4位 東城りお(セガサミーフェニックス)▲43.4
【観戦記】
伊達ちゃんを引っ張り出せ! 連続MVPを狙う瑞原明奈、ポニーテールでの追走劇(ゆうせー)
第2試合
南2局、黒沢が門前進行にこだわった手順で3メンチャンリーチを一発でツモ、ハネ満に仕上げて大量加点に成功し、快勝。個人ランキング首位浮上を狙ってMリーグ初の連闘に臨んだ瑞原は2着。セガサミーフェニックスは連続4着と、あまりに厳しい結果となった。
1位 黒沢咲(TEAM雷電)+61.8
2位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)+8.2
3位 二階堂瑠美(EX風林火山)▲17.8
4位 茅森早香(セガサミーフェニックス)▲52.2
【観戦記】
チームのために、ファンのために 茅森早香、悲痛なる戦いで示した不死鳥の誇り(東川亮)
■3月17日(金)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS
第1試合
丸山が東場で効果的に加点をしていくと、南場で差を詰められたものの、最後まで逃げ切って快勝。4連勝がセミファイナル進出の最低条件となるドリブンズに、貴重な1勝をもたらした。伊達は3着でポイントを減らすも、かろうじて個人首位をキープしている。
1位 丸山奏子(赤坂ドリブンズ)+54.1
2位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+6.7
3位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲17.7
4位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)▲43.1
【観戦記】
今、自分にできることを 丸山奏子、決意の闘牌(東川亮)
第2試合
自身初のバースデー出場となった多井が、初戦に引き続き出場。アガリ4回放銃ゼロの完璧なスタッツで快勝し、誕生日に花を添えた。逆転でのセミファイナル進出を目指してチーム連勝を狙ったドリブンズ・園田はあらゆる手を尽くすも3着に終わってしまった。
1位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+62.1
2位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)+19.0
3位 園田賢(赤坂ドリブンズ)▲27.7
4位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲53.4
【観戦記】
それでも彼はテンパイを外した だってあいつは、園田賢 最後まで――できることは全部やる(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
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■3/13-3/17の結果
週の勝ち頭は渋谷ABEMAS。下位に沈む2チームはポイント差を詰められないまま最終節を迎えることとなり、セミファイナル進出争いの大勢は決したと言っていいだろう。一方で、3位から6位までの争いは非常に混戦となっている。
■3/20-3/21の注目ポイント
セガサミーフェニックス・赤坂ドリブンズはセミファイナル進出が絶望的となってしまったが、1年間応援してくれたファンに向け、有終の美をかざることができるか。また、1位・2位争い、3位〜6位の争いは熾烈を極めている。特に、4位以内に入ればセミファイナルの最終日で打てることになるため、中位の争いは最後まで目が離せない。
また、MVP争いに関しては伊達朱里紗・瑞原明奈がほぼ並びで、その下も6位・園田賢あたりまでは現実的に狙える位置となっている。最終節には昨シーズンにあったような直接対決も見られそうだ。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。