Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 2月13日〜 2月17日
大和証券Mリーグ2022-23、レギュラーシーズンの戦いが白熱度を増してきている。セミファイナル進出を巡るボーダー争いはもちろん、上位チームにもさまざまな思惑があるだろう。この週も、さまざまなドラマが繰り広げられた。
■2月13日(月)
対戦カード:KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・TEAM雷電
第1試合
好調の伊達がこの試合も序盤から大きな加点を重ねてリードするも、南3局の親番で内川が伊達から9600を直撃して試合をひっくり返し、そのまま逃げ切ってトップを獲得した。
1位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+53.9
2位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+13.1
3位 日向藍子(渋谷ABEMAS)▲15.2
4位 萩原聖人(TEAM雷電)▲51.8
【観戦記】
もしも内川幸太郎が「手順マエストロ」じゃなかったら(江崎しんのすけ)
第2試合
接戦を高宮が半歩リードする形で進んでいた試合は、南3局に堀が倍満をツモってラス目から一気にトップ目まで浮上して勝利、サクラナイツは同日連勝を達成した。この日も要所に鋭さを見せた多井だったが、倍満の親かぶりが響いてラスに終わっている。
1位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)+58.6
2位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+5.3
3位 黒沢咲(TEAM雷電)▲19.6
4位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)▲44.3
【観戦記】
麻雀星人の研究レポート(渡邉浩史郎)
■2月14日(火)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・EX風林火山・セガサミーフェニックス・U-NEXT Pirates
第1試合
連勝中の東城が、この試合でも南3局に満貫をツモって園田を逆転し、そのままトップで3連勝を果たした。オーラスでは園田が2着確定のロン牌を見逃してツモ・直撃での逆転トップを狙うも、瑠美へ放銃してしまい、3着で試合を終えている。
1位 東城りお(セガサミーフェニックス)+61.1
2位 二階堂瑠美(EX風林火山)+13.5
3位 園田賢(赤坂ドリブンズ)▲15.4
4位 仲林圭(U-NEXT Pirates)▲59.2
【観戦記】
こんな思いさせるなら はじめから優しくなんてしないでよ! 園田賢、今宵も芸術的なマクラーレン(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
南1局、亜樹がトップ目に立っていた魚谷から四暗刻単騎を直撃。今シーズンのMリーグで2回目となる役満をアガり、一気に逆転する。しかし、南2局の親番で村上が連荘して差を詰めると、オーラスで逆転条件をクリア、長かったトンネルを抜け、今シーズン初トップを獲得した。
1位 村上淳(赤坂ドリブンズ)+58.2
2位 二階堂亜樹(EX風林火山)+18.1
3位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)▲20.6
4位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲55.7
【観戦記】
止められそうにない 止めたいと思わない(越野智紀)
■2月16日(木)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・TEAM雷電
第1試合
寿人が圧勝。リードしたところからはダマテンや仕掛けを駆使してアガリをとって局を進めていくと、南場の親番ではリーチで猛然と攻め立て、ハネ満ツモなどでさらに加点、終わって見れば75600点の特大トップを獲得してトータルスコアをプラス域に戻した。
1位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+95.6
2位 勝又健志(EX風林火山)▲2.6
3位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)▲34.3
4位 本田朋広(TEAM雷電)▲58.7
【観戦記】
全てを焼き尽くし、佐々木寿人はこう綴った。「我、覇道なり。」(ゆうせー)
第2試合
瀬戸熊が東場に効果的なアガリを重ね、最後までリードを保って勝利。トップが欲しい園田も最後まで粘ったが、オリられない親番で高宮に満貫を放銃して痛恨のラス落ち。ドリブンズの1日1勝、そしてEX風林火山が開幕から続けていた毎週連続勝利の記録が、ここで途絶えた。
1位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+53.2
2位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+4.7
3位 二階堂瑠美(EX風林火山)▲15.9
4位 園田賢(赤坂ドリブンズ)▲42.0
【観戦記】
瀬戸熊直樹と園田賢、チームの浮上を託された男たちの明暗(東川亮)
■2月17日(金)
対戦カード: KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス・U-NEXT Pirates
第1試合
瑞原が東場の親番で大きく加点してリードを広げると、巧みなゲームメイクで試合を進め、逃げ切ってチームに久しぶりのトップを持ち帰った。今シーズン苦戦が続く近藤は、この試合でも痛い放銃があり、4着となってしまっている。
1位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)+70.2
2位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)+3.8
3位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)▲21.5
4位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)▲52.5
【観戦記】
Mリーグ戯曲『じゃじゃ馬慣らし?』主演:瑞原明奈・渋川難波(渡邉浩史郎)
第2試合
東城が東場で大きなアガリを連発して一気に突き抜けると、2番手以下の着順争いも利してそのままトップを獲得。Mリーグレコードに並ぶ、個人4連勝を達成した。着順争いは、オーラスで優がしぶとくアガりきり、2着を確保している。
1位 東城りお(セガサミーフェニックス)+62.1
2位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+4.7
3位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)▲18.8
4位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲48.2
【観戦記】
繊細に手組み、苛烈なまでに押す 鈴木優の戦闘スタイルは 海賊船を導く旗印となるか(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
橋を架けよう、村上淳 残る一歩がどんなに苛烈であっても──【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・2月14日】
2月14日、村上淳の今シーズン初トップに至るまでの厳しい道のり、そこで巡らされていた思考について触れられている。
■2/13-2/17の結果
週の勝ち頭はKONAMI麻雀格闘倶楽部。4戦してトップは1回も、寿人が大きく素点を稼いだこと、そして残る3戦を2着で終えたことで、100ポイント以上のプラスを稼ぎ、首位をうかがう位置につけている。ボーダーを挟んだサクラナイツとフェニックスどちらもポイントをプラスし、差はわずかに開いたものの1戦で入れ替わる状況は変わらない。そして中盤戦までは首位を独走していた渋谷ABEMASは、ついにプラスがほぼなくなった。
■2/20-2/24の注目ポイント
サクラナイツとフェニックスの動向に注目が集まるが、今週は渋谷ABEMAS・TEAM雷電の2チームに注目したい。いずれも失速傾向にあるが、これ以上負けてしまえば下位陣の争いに巻き込まれかねない。セミファイナル以降のことを考えても、この辺でしっかりとポイントを積み重ね、再び上位へ向けて巻き返していきたいところだろう。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。