清一色(チンイツ)は、数牌のいずれか1種類だけで手牌を揃えると成立する6翻役(鳴くと5翻)です。「清一色(チンイーソー)」が正式な呼び名ですが、「チンイツ」と略されることが多く、門前で揃えたの場合は清一色は「メンチン」と呼ばれます。混一色(ホンイツ)と違い、チンイツのみの手でも「バカチン」とは呼ばれません。
清一色は役満を除く通常の手役のなかでは最も高い6翻の役であり、見た目も非常に派手なので、難易度は高いですが初心者の方でも覚えやすい役です。使う牌の種類が9種類のみに縛られますので複合できない役もありますが、手牌の形自体は自由なので相性の良い役も存在します。
【目次】
清一色(チンイツ)が成立する条件
チンイツは、萬子、筒子
、索子
の3種類ある数牌のうち、いずれか1種類のみを使って手を揃えると成立する6翻役です。門前でなくとも成立しますが、鳴いた場合は5翻となります。
清一色(チンイツ)
- 1種類の数牌だけを使用する
- 門前でなくてもOK(鳴くと5翻)
清一色=数牌のいずれか1種類だけで揃える
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アガリ
上位役:緑一色(リューイーソー)
緑一色(リューイーソー)は、形だけで見ればホンイツやチンイツと同じですが、の緑色だけが使われた6種類の牌のみで手を揃えた場合に成立する役満です。門前でなくとも成立します。
アガリ
※アガリ牌のうち、
が緑一色
緑一色(リューイーソー)とは? 索子の23468と發のみを使って手を揃えると成立する役満
上位役:九蓮宝燈(チューレンポートウ)
九蓮宝燈(チューレンポートウ)は、ある特定の形のチンイツを、門前でアガったときにのみ成立する役満です。最終的な形が「1112345678999+x」という形になっていれば、テンパイ形やアガリ牌は指定されていませんが、9面待ちとなる形を「純正九蓮宝燈(ジュンセイチューレン)と呼び、ダブル役満として扱っているルールもあります。
純正九蓮宝燈、待ちはすべての萬子の牌
九蓮宝燈(チューレンポウトウ)とは? 特定の形のチンイツを揃えると成立する役満
清一色(チンイツ)と相性の良い役
チンイツは、使える牌の種類が非常に限られてはいるものの、形の制約はなく、門前でなくとも成立するので、他の役とも複合が可能です。
清一色(チンイツ)+ 平和(ピンフ)
「すべて順子」「頭が役牌でない」「両面待ちでテンパイ」「門前」という条件で成立する平和(ピンフ)は、形だけで見れば非常に難易度が低く、門前でなくてはならないという制約を除けばチンイツとも相性の良い役のひとつです。
アガリ
平和(ピンフ)とは? 順子・役牌以外の雀頭・リャンメン待ちで作った門前役
清一色(チンイツ)+ 対々和(トイトイ)
面子をすべて刻子で揃える対々和(トイトイ)は、形だけを見ればピンフより難易度が高いものの、鳴いても成立する役な分、チンイツとの複合を狙いやすいと言えます。
アガリ
対々和(トイトイ)とは? 面子を刻子のみで揃えると成立する役
清一色(チンイツ)+ 一気通貫(イッツウ)
1種類の数牌を使って123、456、789の順子を作る一気通貫(イッツウ)は、4面子1雀頭のうち、3面子を1種類の数牌で占めることになるので、非常にチンイツと相性の良い役のひとつです。
アガリ
一気通貫(イッツウ)とは? 1種類の数牌で1から9まで順子で揃えると成立する役
清一色(チンイツ)の注意点
狙いがバレやすい
チンイツやホンイツといった「染め手」は、手の中で使うため、捨て牌に1種類の数牌が極端に捨てられにくくなります。これは他の役を狙っている場合よりも分かりやすく河に表れるため、染め手を狙っていることを他家に悟られやすくなってしまいます。
さらに、鳴いて手を進めている場合はより顕著となり、どの種類の数牌で染めているかバレてしまうと、牌を絞られ鳴かせてもらえなかったり、アガリ牌を止められたりしやすくなってしまいますので、要注意です。
待ちが複雑になりやすい
チンイツは1種類の数牌のみを使って手を作ることになるので、手牌のなかの多くの牌がそれぞれの関連牌、というような形になりやすいです。
その場合、所謂「変則多面張」と呼ばれる複合形の待ちになりやすく、初心者の方は理解が追い付かないうちにアガリを逃してしまったり、フリテンになってしまうことがありますので、じゅうぶん注意しましょう。
清一色(チンイツ)の狙い方
チンイツは孤高の手役です。メンゼン6ハン、鳴いても5ハンと役満以外では一番高く、単体でマンガン以上になる唯一の手役です。他の手役と複合して倍満になることも珍しくなく、勝負の趨勢を決める大役ですが、チンイツと聞いていいイメージを持つ打ち手は少ないでしょう。
チンイツ独特の悩みとして、「すぐに待ちがわからない」「どういう時に狙えばいいかわからない」というものがあります。ここからは「待ちの把握」「見極め時」の2本立てでチンイツを解説していきます。
待ちを把握する
メンチンで一番多い悩みは、待ちがわからないということです。「メンチンってそうそうできないし、待ちはそのときにしっかり考えればいいや」と軽く考えている人も多いでしょう。
言うまでもなくメンチンは大量加点のチャンスですが、そのチャンスで待ちを把握していないとアガリ牌を見逃してしまったり、結果放銃に回ったり、最悪の場合チョンボしてしまうこともあります。これは上下で考えるとかなり大きな損失と言えるでしょう。
このようにメンチンは出現頻度こそ低いものの、重要度がとても高く、半在の結果を大きく左右すると言っても過言ではありません。次項では簡単に待ちを把握する方法を解説します。
「暗刻なし」のパターン
一番簡単なのが「暗刻なし」のパターンです。暗刻のないメンチンは例外を除いて1筋しか待ちになりません。なので1つでも待ちがわかれば、その筋をチェックするだけで全ての待ちがわかるのです。
パターンA:
パターンAを適当なところで分解してみると、
+
となり、
左側を見ると待ちということがわかります。
次に筋であるが待ちにならないかをチェックしてみます。
+
となり、
が待ちになるので、この場合は
待ちになります。
このように暗刻のないチンイツは待ちが1筋になるのです。
唯一の例外は次のような形です。
パターンB:
パターンBは待ちです。11223344のようにイーペーコーの隣にトイツがあるような形は違う筋が待ちになります。
パターンC:
パターンCは待ちです。さらにトイツをくっつけると待ちが増えます。
「暗刻あり」のパターン
暗刻がある場合は、その暗刻を暗刻として考えるか、ヘッドとして考えるかの2パターンを検証して待ちを見抜くのが基本です。
パターンD:
パターンDはを暗刻として考えると、
+
となり、
のノペタン待ちになります。
次にをヘッドとして考えると、
+
となり、
待ちになります。
清一色(チンイツ)の狙い方
(『麻雀手役大全』 (近代麻雀戦術シリーズ)より)
清一色(チンイツ)のまとめ
チンイツは、鳴いても5翻なので最低でも満貫と打点が高く、門前でテンパイすれば倍満も容易に視野に入る、非常に打点も見た目もインパクトの強い派手な役です。
ただし使える牌が限られているため成立させる難易度は非常に高く、しかも他家に狙いがバレてしまう危険性も決して少なくありません。
そして待ちや手牌の構成が複雑になりやすいため、初心者の方におすすめしやすい役ではありませんが、完成させられた場合に得られる喜びは、もらえる点数以上に大きなものとなるかもしれません。
以下の記事で清一色をはじめ、役ごとの飜数を一覧でまとめています。
点数計算、符計算の仕方は以下の記事で詳しく解説しています。