【目次】
混一色とは?
混一色(ホンイツ)は、数牌のいずれか1種類と字牌のみを使うことで成立する3翻役(鳴くと2翻)です。正式には「混一色(ホンイーソー)」と読みますが、「ホンイツ」或いは「ホンイチ」などと略されることが多いです。門前で成立した場合は「メンホン」と呼ばれ、ホンイツのみでアガった場合は「バカホン」と呼ばれることもあります。
出現頻度が比較的高く、3翻役のなかでは最も目にする機会の多い役です。条件は初心者の方でも覚えやすいので、ぜひ習得してみましょう。他の役とも複合しますし、門前でなくとも成立するので自由度が高い役ですが、鳴いて晒した牌や捨て牌などから他家に役を推測されやすい役でもあるので、注意が必要です。
混一色(ホンイツ)が成立する条件
ホンイツは、萬子、筒子
、索子
の3種類ある数牌のうち、いずれか1種類と字牌のみを使って手を揃えると成立する3翻役です。門前でなくとも成立しますが、鳴いた場合は2翻となります。
混一色(ホンイツ)
- 数牌のいずれか1種類と字牌のみを使う
- 門前でなくてもOK(鳴くと2翻)
混一色=数牌のいずれか1種類と字牌のみで揃える
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アガリ
上位役:清一色(チンイツ)
清一色(チンイツ)は、数牌のいずれか1種類のみを使って手を揃えると成立する役です。ホンイツとの違いは、字牌を使っているかどうかです。数牌を1種類しか使わないホンイツとチンイツを合わせて「染め手」と呼びます。
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アガリ
清一色(チンイツ)とは? 数牌のいずれか1種類だけで手牌を揃えると成立する役
上位役:緑一色(リューイーソー)
緑一色(リューイーソー)は、形だけで見ればホンイツやチンイツと同じですが、の緑色だけが使われた6種類の牌のみで手を揃えた場合に成立する役満です。門前でなくとも成立します。
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アガリ
緑一色(リューイーソー)とは? 索子の23468と發のみを使って手を揃えると成立する役満
混一色(ホンイツ)と相性の良い役
ホンイツは、使える牌の種類が限られてはいるものの、形の制約はなく、門前でなくとも成立するので、他の役とも複合が可能です。
混一色(ホンイツ)+ 役牌(ヤクハイ)
ホンイツは字牌を雀頭か刻子で必ず使用するので、役牌と複合することが少なくありません。字牌7種のうち少なくとも4種は役牌となるので、面子として刻子で利用する場合、複合することのほうが多いくらいかもしれません。
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アガリ
役牌(ヤクハイ)とは? 特定の字牌を3枚以上揃えると成立する役
混一色(ホンイツ)+ 対々和(トイトイ)
上記の役牌と似た理由ですが、字牌を雀頭以外で使用するということは順子ではなく刻子となります。また、鳴いても成立する役なので、字牌に限らずポンで鳴いて手を進められれば、面子をすべて刻子で揃える対々和(トイトイ)と複合するのも難しくはないかもしれません。
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アガリ
対々和(トイトイ)とは? 面子を刻子のみで揃えると成立する役
混一色(ホンイツ)+ 一気通貫(イッツウ)
1種類の数牌を使って123、456、789の順子を作る一気通貫(イッツウ)は、4面子1雀頭のうち、3面子を1種類の数牌で占めることになるので、非常にホンイツと相性の良い役のひとつです。
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アガリ
一気通貫(イッツウ)とは? 1種類の数牌で1から9まで順子で揃えると成立する役
混一色を狙うべき手牌を知る
ホンイツというのは、一度ホンイツにいくと決めたら、その色と字牌をひたすら集めるだけなので、その手順においては技術に差がつかない。ではどこで差がつくかというと、ホンイツへの見極めである。
パターンA:東1局・北家・配牌 ドラ
パターンAからはを切る。まず目につくのは役牌トイツが2組(
と
)あることだ。役牌トイツが2組あるときは必ずホンイツかトイトイを意識すべきである。なぜなら「役・役+2ハン役」で効率的にマンガンが狙えるからだ。どちらも狙える時はホンイツを優先する。ホンイツのほうが有効牌が多いし、一度トイトイを捨てた後にホンイツ・トイトイになることもあるからである。つまりかパターンAからは混一色の種である
を切ってはいけない。
この牌が例えば、以下のパターンBのようにソウズが完成していてもホンイツを忘れてはいけない。
パターンB:東1局・北家・配牌 ドラ
役牌がすぐに出たならポンしてを全て切っていく。もちろん巡目が経過したら妥協の安手テンパイを受け入れるが、序盤のうち(4巡目まで)はこうして1メンツ落としまで視野に入れ、ホンイツを意識するべきである。ポンして序盤にペン
のテンパイを入れるのと、ここから強引にホンイツを狙うのとでアガリ率は2倍も差はつかない。その一方で1000点→8000点と打点は8倍になる。
このように、役牌トイツが2つあるときに強引にマンガンを狙うことを「役役ダッシュ」という。
混一色を使いこなす
前項では役役ダッシュを解説したが、大切なのはその前である。
パターンC:東1局・北家・配牌 ドラ
パターンCは役牌トイツの他に孤立役牌(・
)がある。ここで
か
を重ねると、役牌トイツが2組になり、役役ダッシュが狙えるようになる。つまりパターンCは役役ダッシュ準備状態と言えるのだ。この役役ダッシュ準備状態にいかに気付くかが重要で、パターンCからは打
や打
とせず、打
としてホンイツのルートを残す。
パターンD:東1局・北家・配牌 ドラ
パターンDはドラ受けリャンメン()があるので、字牌や
を切って普通に手を進めたくなるが、役役ダッシュ準備状態でもあるので
を切ってホンイツのルートを残すべきである。このように役役ダッシュ準備状態では1289牌を切って準備状態を維持しよう。
パターンE:東1局・北家 配牌 ドラ
同様にパターンEのような配牌でも準備状態を意識して打が正解となる。
パターンF:東1局・北家・配牌 ドラ
ここまでの説明を見るとパターンFからもを切ってホンイツにしたくなるが、それはNGである。正解は打
。なぜか。理由は2つある。1つ目は完成している部分が多いとリーチが近くなるという点。2つ目は完成しているとそこから伸ばしにくくなる、という点だ。
例えばパターンFのよりパターンEの
の方が、1種類だが有効牌は多い。同様に
からはなかなか横に伸ばしづらいが、
なら2メンツ作りやすい。カン
をチーして残った
にくっつけたり、
をツモってポンでもいい。このように崩れているほどホンイツは狙いやすいと言えるのだ。
他にも一見ホンイツを目指すべきに見えるものの、実は目指してはいけない手牌がある。
パターンG:東1局・北家・配牌 ドラ
役役ダッシュ準備状態を知ると、パターンGもホンイツにしたくなるが、これも役牌(・
)を切るべきである。好形で全て埋まっているなら、強引にホンイツを狙うよりもリーチを目指した方が早いからだ。
パターンH:東1局・北家・配牌 ドラ
パターンHからもホンイツを目指して打は誤りである。字牌トイツが1つもない時は、ホンイツになりにくいからだ。素直に
を切り、役牌が重なったらそこで役牌ドラドラを目指すかホンイツを目指すかを判断すべきだ。
「混一色を狙うべき手牌を知る」「混一色を使いこなす」
『麻雀手役大全』 (近代麻雀戦術シリーズ)より
混一色(ホンイツ)の注意点
狙いがバレやすい
ホンイツやチンイツといった「染め手」は、手の中で使うため、捨て牌に1種類の数牌が極端に捨てられにくくなります。これは他の役を狙っている場合よりも分かりやすく河に表れるため、染め手を狙っていることを他家に悟られやすくなってしまいます。
さらに、鳴いて手を進めている場合はより顕著となり、どの種類の数牌で染めているかバレてしまうと、牌を絞られ鳴かせてもらえなかったり、アガリ牌を止められたりしやすくなってしまいますので、要注意です。
混一色(ホンイツ)のまとめ
ホンイツは、形が分かりやすく門前でなくとも成立し、門前3翻鳴いても2翻なので打点にもつながります。難易度が易しいわけではありませんが、初心者の方でも覚えておいて損はないでしょう。
ただし、ホンイツやチンイツなどの染め手と呼ばれる役は、捨て牌にその傾向が表れやすく、他家に狙いを推測されやすくなってしまいます。
また、ホンイツのみの手で鳴いて進めると、2翻のアガリとなってしまい打点にもつながりません。狙いがバレやすいというデメリットに見合った手かどうかは慎重に判断しましょう。
以下の記事で混一色をはじめ、役ごとの飜数を一覧でまとめています。