Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 1月23日〜1月27日
大和証券Mリーグ2022-23レギュラーシーズンは、各チーム残すところ30試合となった。ここからは日を追うごとに、加速度的に1試合の結果の重さが増していく。特に、下位に沈む2チームにとっては、残されている試合数はさほど多くはない。正念場となる2月・3月の戦いに向けて、勢いをつけられたのはどのチームか。
■1月17日(月)
対戦カード:EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS
第1試合
堀が優位に運んでいた試合だったが、滝沢がオーラスの親番で堀から7700を直撃して逆転。最終局は堀と日向が逆転トップを目指したリーチをかけるも流局し、滝沢が最後までもつれた一戦を制した。
1位 滝沢和典(EX風林火山)+54.6
2位 日向藍子(渋谷ABEMAS)+8.6
3位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲17.4
4位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲45.8
【観戦記】
わずか2局の悪夢── 堀慎吾が選んだ【5s】、 その先に待っていたものは(江崎しんのすけ)
第2試合
勝又が持ち前の鋭い読みを生かした打牌選択で的確にアガリを取って快勝。一時はマイナスまでポイントを減らした内川は、オーラスの親番で加点を重ね、最終的には3位で試合を終えている。
1位 勝又健志(EX風林火山)+73.4
2位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+16.2
3位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)▲32.7
4位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲56.9
【観戦記】
136牌の後先に 想いを乗せて 勝又健志が切り込む 人知を超えた読みの領域(徳岡明信)
■1月24日(火)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・セガサミーフェニックス・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
東場が苦戦していた仲林だったが、東4局の親番で本田からハネ満を直撃して持ち点を回復すると、オーラスでは丸山とのリーチ対決を制して勝利。2位に終わった近藤だが、南3局ではフリテンでのリンシャンツモで満貫、最終局も逆転条件を満たすリーチをかけるなど、勝利まであと一歩だった。
1位 仲林圭(U-NEXT Pirates)+67.9
2位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)+13.9
3位 丸山奏子(赤坂ドリブンズ)▲11.9
4位 本田朋広(TEAM雷電)▲69.9
【観戦記】
左腕の軌跡は逆襲の狼煙 近藤誠一、完全復活の予兆(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
東場は園田がペースを握るも、南1局に萩原が茅森からハネ満を出アガリしてトップ目に立つ。そのまま押し切るかと思われたが、オーラスで優が逆転条件を満たすツモアガリを決め、トップを獲得。チーム4人での4連勝を達成した。
1位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+57.4
2位 萩原聖人(TEAM雷電)+16.5
3位 園田賢(赤坂ドリブンズ)▲16.1
4位 茅森早香(セガサミーフェニックス)▲57.8
【観戦記】
終盤戦の始まり(越野智紀)
■1月26日(木)
対戦カード: EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・セガサミーフェニックス・TEAM雷電
第1試合
最短8局での決着となった一戦は、オーラスで瀬戸熊が、リーチ棒が出ての満貫ツモという逆転条件を満たす豪快な一発ツモ。わずか1回のアガリで4番手から全員を総まくりする会心の逆転劇で、個人2勝目を挙げた。
1位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+46.8
2位 勝又健志(EX風林火山)+6.1
3位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲15.8
4位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)▲37.1
【観戦記】
その時、魂が震えた。究極のスプリント戦、最後はトルネードツモが一閃!(ゆうせー)
第2試合
黒沢が東4局の親番で強気の攻めから満貫、ハネ満と立て続けにツモり、持ち点を7万点まで伸ばす。その後、亜樹が南3局の親番で黒沢から満貫を直撃するなど追撃したが及ばず。黒沢の勝利で、雷電は同日連勝となった。
1位 黒沢咲(TEAM雷電)+69.9
2位 二階堂亜樹(EX風林火山)+8.5
3位 茅森早香(セガサミーフェニックス)▲21.8
4位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲56.6
【観戦記】
決まり手は5万点持ちからの猛烈プッシュ 百花繚乱の舞台で黒沢咲が輝く!(ZERO/沖中祐也)
■1月27日(金)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS・U-NEXT Pirates
第1試合
岡田が東場の親番でハネ満をツモって抜け出すも、瑞原、村上がアガリを重ねて岡田を逆転、競りの状態でオーラスに突入する。村上の今シーズン初トップも十分にあり得る展開だったが、最後は瑞原がアガリきって勝利、チームの連勝を5に伸ばした。
1位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)+56.3
2位 村上淳(赤坂ドリブンズ)+7.6
3位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)▲13.1
4位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)▲50.8
【観戦記】
遠かったその背中、遂に視界に捉えども…… 村上淳の前に立ちはだかった、「無慈悲なオーラスの女王」(渡邉浩史郎)
第2試合
Mリーグでも屈指の実力者たちによる重厚な一戦は、堀が南場の親番で大きく加点して勝利。多井が2位をキープして試合を終えた。各者の濃密な戦いは見どころ抜群、お時間があれば、ぜひABEMAプレミアムで振り返ってみていただきたい。
1位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)+64.0
2位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+0.0
3位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)▲20.9
4位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲43.1
【観戦記】
ゼウスがドリブンズを救うまで 鈴木たろうが夢を見せるまで(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
神を討つのも、また人外── 鈴木たろうを屠る魔物たちの狂宴【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・1月27日】
1月27日・第2試合の東2局。500-1000のツモアガリという地味な結果に終わった1局の裏で繰り広げられた、強者同士の濃密な思考戦が描かれている。
河野直也が選ぶ『Mリーガー究極の決断』〜最高と最良と最悪。最終着地点への一打をぶっ放せ!〜松ヶ瀬隆弥編〜
1月17日の対局で松ヶ瀬が見せた、順位を守る冷静かつ丁寧な打ち筋が解説されている。
■1/23-1/27の結果
週の勝ち頭はパイレーツ。先週からの連勝を5まで伸ばす快進撃で2位に浮上、首位・風林火山の追撃態勢をうかがっている。TEAM雷電は瞬間的にマイナス圏へと突入したものの、木曜日の瀬戸熊・黒沢による連勝でリカバリーに成功、プラスを再び3桁へと乗せた。下位2チームはこの週もポイントを減らす、厳しい戦いが続いている。
■1/30-2/3の注目ポイント
Mリーグが終盤戦に差し掛かってくるにあたり、やはり注目されるのはセミファイナル進出ボーダーとなる6位を巡る争いだ。現状6位のサクラナイツと7位のフェニックスの差は350ポイント強、1節での逆転は難しいほどに広がっているが、まずは少しずつ差を詰めていきたい。ただ、ボーダー付近のチームが下位陣を封じ込めるような選択をしてくることも考えられ、一筋縄ではいかない戦いが続くだろう。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。