Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 2月27日〜 3月3日
大和証券Mリーグ2022-23シーズンは残り10試合、いよいよ大詰めを迎える。前週にあった劇的な逆転トップや2週連続の役満など、見どころ満載の対局を振り返っていこう。
■2月27日(月)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・渋谷ABEMAS・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
オーラスをトップ目で迎えた松本が、2着目の親番・仲林のリーチに押し切ってアガリをもぎ取り勝利。その前局には巧みな手順でアガリを決めており、勝ちへの道筋をしっかりとつかんだ結果となった。
1位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+68.2
2位 仲林圭(U-NEXT Pirates)+17.7
3位 本田朋広(TEAM雷電)▲28.0
4位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)▲57.9
【観戦記】
決め手はラス前の攻防── 松本吉弘のベストバランスが作り出した、オーラスの新たな選択肢(江崎しんのすけ)
第2試合
東場の親番を迎えるまで劣勢だった園田が、東4局の親番で驚愕の6連続アガリ。チャンタリャンペーコーなどレア役でのハネ満を決めるなど大きく加点し、萩原の追撃を振り切ってトップを獲得した。連闘の仲林は、悔しい4着に終わった。
1位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+74.8
2位 萩原聖人(TEAM雷電)+17.8
3位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)▲35.2
4位 仲林圭(U-NEXT Pirates)▲57.4
【観戦記】
その日、男たちは修羅と化した。卓上で繰り広げられた、戦闘の果て(渡邉浩史郎)
■2月28日(火)
対戦カード:EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・Uセガサミーフェニックス
第1試合
接戦で進んだ試合は、南3局に近藤が少ないチャンスを生かす満貫ツモを決めて勝利。オーラスでは内川が因縁の単騎で伊達のトイツ落としを捉え、2着に順位を上げて試合を終えた。
1位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)+49.9
2位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+4.2
3位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲16.6
4位 勝又健志(EX風林火山)▲37.5
【観戦記】
まとわりつく黒い霧を振り払え 内川幸太郎、志願の連闘の果てに(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
オーラスを3着目で迎えた内川が、リーチツモピンフジュンチャン三色という劇的な倍満を決めて逆転トップ。Mリーグ新記録となる個人5連勝を狙った東城は、悔しいラスに終わっている。
1位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+61.4
2位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)+12.9
3位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲16.5
4位 東城りお(セガサミーフェニックス)▲57.8
【観戦記】
あの… 天上天下唯我独尊男がパスを!!(越野智紀)
■3月2日(木)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス
第1試合
茅森と丸山による激しいマッチレースが繰り広げられ接戦となった試合は、滝沢がリーチを日向から出アガリして決着。裏ドラが乗れば滝沢、乗らなければ丸山が勝利という状況で裏ドラが乗り、滝沢がトップに。ドリブンズとしては痛い2着となった。
1位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+49.0
2位 丸山奏子(赤坂ドリブンズ)+7.3
3位 茅森早香(セガサミーフェニックス)▲13.1
4位 日向藍子(渋谷ABEMAS)▲43.2
【観戦記】
私がチームを救うんだ!茅森早香と丸山奏子、壮絶な叩き合いの果てに⸺(ゆうせー)
第2試合
白鳥がうまいゲーム運びでオーラスまでトップをキープしていたが、オーラスに高宮のリーチ一発ツモ四暗刻が炸裂。自身Mリーグ初、全体では20例目となる役満によって大トップを獲得、チームはデイリーダブルを達成して首位に浮上した。
1位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+78.2
2位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)▲2.5
3位 園田賢(赤坂ドリブンズ)▲26.9
4位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)▲48.8
【観戦記】
高宮まり、可憐な右手に握りしめるは紅蓮の大太刀『四暗刻』(東川亮)
■3月3日(金)
対戦カード:EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
岡田が序盤から満貫、倍満と高打点のアガリを決めると、リードを生かしたゲーム運びを見せて快勝。ひな祭りの日に女性選手4名がそろった一戦を制した。瑠美は終盤のアガリで、しぶとく2着をキープしている。
1位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)+62.2
2位 二階堂瑠美(EX風林火山)+10.7
3位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)▲23.3
4位 黒沢咲(TEAM雷電)▲49.6
【観戦記】
サクラナイツ岡田紗佳は開花宣言を夢見る 来るべき桜花爛漫の日に向けて(渡邉浩史郎)
第2試合
亜樹が快勝。東1局の親番で連続での満貫ツモを決めてリードを作ると、さらに加点して大きなトップを獲得。EX風林火山は前日にKONAMI麻雀格闘倶楽部に奪われていた首位の座を奪還した。渋川は痛い放銃が響き、マイナス3万点の大きなラスを食ってしまった。
1位 二階堂亜樹(EX風林火山)+81.1
2位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+26.5
3位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲17.6
4位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)▲90.0
【観戦記】
渋川難波の受難 剣は折れども心までは折らせない(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
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■2/27-3/3の結果
週の勝ち頭はKONAMI麻雀格闘倶楽部。木曜日のデイリーダブルでポイントを伸ばし、首位・EX風林火山とのデッドヒートを繰り広げている。上位では、3位・渋谷ABEMASが微減で踏みとどまったのに対し、U-NEXT Piratesは80ポイントほど減らし、マイナスが3桁に突入。下位2チームはポイントを上積みできないまま4試合を消化することとなった。
■3/6-3/10の注目ポイント
Mリーグもいよいよ残り10試合、ここからは全ての試合が注目となる。各チームの目標がそれぞれに明確になる中で、まず焦点が当たるのは下位2チームだ。セガサミーフェニックス、赤坂ドリブンズの2チームは、これ以上ポイントを減らすのはもちろん、停滞であっても敗退へと近づくことになるので、まずはトップ、最低でも2着以内という結果を重ね、中位グループを捕まえに行きたい。一方でボーダー付近のチームとしては、スコア次第では下位チームのトップを阻止するような選択も迫られるかもしれない。終盤戦ならではの駆け引きは必見である。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。